銘柄レポート🔖 毎週土曜更新
5月から7月にかけて高値の4割超まで下げ、8月に入って急反発した。下げの起点は業界の地合いではなく、5月14日に会社が出した今期の計画だった。その計画は、その後6月と8月に2度引き上げられている。
5〜7月の下げは、会社の失速ではない。起点は5/14に出した今期の計画——直前2年で営業利益を2.7倍にしてきた会社が、今期は営業利益+11.8%・最終減益という数字を置いた。市場が織り込んでいた成長の速さとの差が、そのまま株価に出た。
その計画は6/18に3,100億円、8/7に4,320億円へ引き上げられ、下げの起点になった数字はすでに置き換わっている。焦点は「なぜ下げたか」から「引き上げた計画に2Q以降どう積み上がるか」へ移った。
8/8更新
この3つを知っているかどうかで、下のチャートの同じ値動きが違って見えます。
期初の営業利益計画→実際の着地は、2024年3月期 600億→695億/2025年3月期 700億→1,355億/2026年3月期 1,220億→1,887億。3期とも大きく上回った。今期の期初も2,110億円(純利益は減益の計画)で、6/18・8/7と2度引き上げている。
📈 チャートでは──5/14の急落(①)はこのひかえめな期初計画が出た日。6/18の修正(②)の翌営業日は2連続ストップ高。同じ性質が、暴落と急騰の両方を作っている。
2026年3月期の営業キャッシュフローは1,329億円、期末の手元資金は1,789億円。5/14には決算と同時に、佐倉の新工場と米国子会社設立という投資方針の進捗も開示した。
📈 チャートでは──株価が4割下げるあいだも、会社はこの投資方針を取り下げていない。株価と設備投資の判断は別々に動いている。
棚卸資産は1,838億円(2026年3月末・前期末から+25%)で、売れ行きが鈍れば重荷になる。また2026年4月1日付で1株を6株に分割している。
📈 チャートでは──4月以降の値は分割後。このページのグラフは調整済みだが、他所の古い株価と比べるときは注意。
丸い番号をタップすると、その出来事の「なぜ」に飛びます。
出典:株価・信用データはマーケットデータ、市場のできごとは報道各社ほか公開情報。金額は調整後終値。チャート:TradingView Lightweight Charts™
5〜7月の下げを、効いた順に3つに分けます。事実と解釈を分けて書き、それぞれに「この見方が違っていると分かる条件」を添えました。
事実 ── 5/14 14:00(取引時間中)に本決算を開示。同時に出した2027年3月期の会社計画は、売上1兆2,430億円(前期比+5.1%)・営業利益2,110億円(同+11.8%)・純利益1,560億円(同▲0.7%=減益)。予想1株利益は94.22円。
値動き ── 開示前に取引時間中の高値7,933円をつけたあと反落し、当日の終値は6,355円(▼19.1%)。翌5/15 ▼8.4%、5/19 ▼16.9%、5/20 ▼8.5%と続き、5/13終値7,855円から5営業日で▼45.3%。
解釈 ── 直前2年で営業利益を2.7倍にしてきた会社が、今期は「営業+11.8%・最終減益」を公式に置いた。市場が織り込んでいた成長の速さとの差が、下げの起点。ただし短信本文には「水素等の一部の原材料調達が追いつかなくなる懸念があり、この影響を保守的に見込んでいる」とあり、ひかえめな置き方であること自体は同じ日に説明されていた。
事実 ── 決算直前の5/1時点で信用買い残は1,688万株・倍率6.6倍で、突出した水準ではなかった。急落後に押し目買いが入り、5/29には3,048万株(5/1比+80%)・倍率18.0倍まで膨らむ。7/31時点でも2,442万株が残り、売り残は78万株まで枯れて倍率は31.2倍。
解釈 ── 買い残は下げを起こしていない。下げたところを買った信用の買いが積み上がり、その返済売りが戻り局面ごとに上値へ出た——6〜7月に下げが長引いた理由はここにある。売り残が枯れているため、買い戻し(踏み上げ)で一気に戻る力も乏しい。
事実 ── 6/23から7/31までの騰落は、キオクシア▼49.6%、安川電機▼32.0%、レーザーテック▼27.1%、東京エレクトロン▼23.9%。同じ期間のTOPIXは+0.3%で、市場全体はほとんど動いていない。フジクラは▼35.7%。
解釈 ── 相場全体が崩れたのではなく、AI・半導体に集まっていた資金が一斉に引いた。フジクラは光ファイバーでこの一角に入っているため、自社の開示が何もない日にも一緒に売られた。
高密度光ケーブルの施工技術に関する欧州特許(EP3796060)が6/24にEPO(欧州特許庁)の確定判断で取り消され、海外メディアが7/10〜13に英語で報道。東京市場が反応したのは7/14で、TOPIXが+0.8%と上げるなかフジクラは一時▼8.8%(安値4,564円)・終値▼4.1%。地合いでは説明できない固有の下げ。対象は欧州の1件で日本・米国の関連特許は対象外、利益率への影響は情報通信の採算で追う(1Qは営業利益980億円・+188.3%)。
会社そのものの数字を見ます。すべて決算短信(適時開示)の実数です。
直近の1Q(4〜6月・8/7開示)は営業利益1,048億円(+155.1%)。うち情報通信が980億円(+188.3%)で全社の93.5%。通期4,320億円に対する進捗は24.3%。一方でエレクトロニクスは4億円(▲73.5%)、自動車12億円、エネルギー53億円で、成長はほぼデータセンタ向けが牽引している。
シナリオの分かれ目 ── 需要が失速すれば情報通信の利益は2024年3月期の390億円規模へ縮む余地があり(連結700億円級)、続けば会社予想の4,320億円へ。いまの株価は、この2つのシナリオの間で値付けされている。
この鎖のどこかが切れると、下の「前提」が崩れます。次の確認点は11月上旬ごろの2Q決算。
その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く
PER=株価が「1年分の利益」の何倍まで買われているか。数字が大きいほど、期待が多く乗っている状態です(その時点で公表されていた会社予想の1株利益で計算)。
計算:その日の株価 ÷ その時点で公表済みだった会社予想の1株利益(分割調整済み・開示の反映は翌営業日から)。グラフ末尾の37.5倍は8/7の上方修正を反映する前のEPS 138.31円ベース、修正後の196.88円なら26.3倍です。
読み方 ── 5月13日には87倍まで期待が膨らみ、翌14日の計画がその期待に届かずしぼんだ。8/7の上方修正で分母が4割強増えたため、株価が戻ってもPERは26倍台。2年の中央値29.1倍の少し下にいる。
いまの株価に織り込まれている前提
5,185円(修正後の予想EPSでPER 26.3倍)は、8/7に引き上げた通期営業利益4,320億円が計画どおり積み上がることを前提にした値段です。1Q時点の進捗は24.3%。
崩れる合図──2Q(11月上旬ごろ)で情報通信の伸びが鈍る/全社利益の9割超を1部門に頼る構成が、その部門の減速で一気に効く。どちらかが出たら、このページの見立ては見直しです。
売買の指示はしません。過去1年の値動きが「どの価格帯で折り返してきたか」を、機械的なルールで塗った地図です。決めるのは、この地図を見たあなたです。
この地図には2種類の帯があります。面の帯(塗り)=10日以上離れて3回以上、値動きが折り返した価格帯。青の斜線=下げ止まりの記録がある支持帯、橙の点=上値を抑えられた記録がある抵抗帯。枠の帯(囲み)=大きな値動きが始まった起点の値幅(青枠=上向き、橙枠=下向きの起点)。帯の位置は機械的なルールで引き、名前(支持帯・抵抗帯・上場来高値の帯など)は分かりやすさのための呼び名です——手で選んでいません。チャート上の①〜⑤は、下の説明と対応しています。各帯のPERは会社予想EPS 196.88円(2027年3月期・2026-08-07開示)で換算した参考値で、予想EPSが変わればPERの位置も動きます。
2026-05-13から5営業日で-45.3%の下げが始まった日の値幅(8.5ATR)|形成後、価格はまだ一度もこの帯に戻っていません(再訪なし)
2026-05-01から5営業日で+35.2%の上げが始まった日の値幅(6.2ATR)|その後の再訪2回:下げ止まり0・割れ2・未決着0
接触3回:下げ止まり3・割れ0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=03/23、05/20、06/11
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
接触3回:下げ止まり3・割れ0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=02/17、03/09、07/29
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
接触3回:下げ止まり3・割れ0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=12/01、12/18、01/09
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
5営業日で+52.5%の上げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で-27.8%の下げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で-11.6%の下げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で+13.2%の上げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
参考:PERの物差し(会社予想EPS 196.88円=2027年3月期予想・2026-08-07開示)
13倍=2,559円/14倍=2,756円/26倍=5,119円/28倍=5,513円/39倍=7,678円/40倍=7,875円。現値5,580円≒PER28.3倍。
※PERは会社予想が変わればラインごと動きます。帯とPER水準が重なるのは結果であって、どちらかが根拠というわけではありません。
⚠ 過去に折り返した帯・値動きの起点の帯は約束ではありません。支持帯を終値で2日連続下回った場合は、その帯の下げ止まり記録が崩れたものとして、次の開示と市場全体の地合いを確認します。帯のルール=面の帯:10日以上離れた接触3回以上・幅は接触価格±0.25ATR/枠の帯:直前5日の終値最安(最高)の日から5営業日以内に3.0ATR以上動いた日の値幅(値動きの大きい順に各方向3本まで・今回ほかに13本の起点を省略)。この帯は毎週、同じルールで機械的に引き直します。
下値の目安・窓・移動平均線をチャートに示しました。数字はすべて2026-08-07時点。
↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。
売買集中帯(この3ヶ月、どの値段で商いが多かったか)
直近60営業日(2026-05-15〜08-07)の売買を価格帯ごとに集計したもの(日々の平均約定単価ベースの推計)
信用残の1年
信用買い残(あとで売る予約)/信用売り残(あとで買い戻す予約)の推移
左目盛:万株(線)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。
まとめ ── 7月までの「売られすぎ」のサインは消え、短期メーターはむしろ買われすぎ寄り。重い信用買い残はそのまま。全体の結論は「総合判断」へ。
ここまでの整理 ── 決算・財務:今期計画は2度引き上げられ、営業利益は前期の2.3倍の計画。ただし利益の9割超を情報通信1部門に頼る/需給:信用倍率31.2倍・売り残は枯れ、踏み上げの燃料は乏しい/テクニカル:25日線を回復し、短期メーターは買われすぎ寄り。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」を置いておきます。
📌 今週の要点:週間では4,172円→5,185円(+24.3%)。同じ週のTOPIXは+1.8%。8/7 14:00(取引時間中)に自社の1Q決算と、通期・中間の業績予想の上方修正が開示されました。会社は通期営業利益の予想を6/18公表の3,100億円から4,320億円へ引き上げ、当日の終値は前日比+12.8%の5,185円。1株当たりの予想利益(EPS)も138.31円→196.88円に変わったため、このページのPER換算の土台が動きます(→②)。
① 新しく分かったこと
📄 自社1Q決算(8/7 14:00開示)
売上高4,020億円(前年同四半期比+50.1%)、営業利益1,048億円(同+155.1%)、経常利益1,115億円(同+166.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益804億円(同+156.8%)。1株当たり四半期純利益は48.58円。
セグメント別は、情報通信が売上2,644億円(+83.9%)・営業利益980億円(+188.3%)。短信本文には「データセンタ向け需要の拡大を背景に、光コンポーネント製品を中心に伸長したことに加え、米国以外の新規データセンタ案件として光コンポーネント製品の大量受注があり」と記載。エレクトロニクスは売上353億円(▲10.3%)・営業利益4億円(▲73.5%/スマートフォン向けの品種構成の変化と材料費高騰)。自動車は売上550億円(+24.7%)・営業利益12億円(前年同四半期14億円)。エネルギーは売上436億円(+23.1%)・営業利益53億円(+59.2%)。不動産は売上28億円(+0.6%)・営業利益13億円(▲2.7%)。
→ 全社の営業利益1,048億円のうち980億円=93.5%が情報通信です。会社全体の利益が、1つのセグメントに大きく寄った形になっています。
📈 通期・中間の業績予想を同日に上方修正(8/7 14:00開示)
通期は売上1兆4,620億円→1兆7,550億円(+20.0%)、営業利益3,100億円→4,320億円(+39.4%)、経常利益3,160億円→4,530億円(+43.4%)、純利益2,290億円→3,260億円(+42.4%)。前期実績との比較では売上+48.4%・営業利益+128.9%・純利益+107.4%。中間(4〜9月)は売上7,780億円→8,210億円、営業利益1,740億円→1,980億円。予想EPSは138.31円→196.88円。
修正理由は原文で「情報通信事業においてデータセンタ向け需要の拡大を背景に、光コンポーネント製品を中心に伸長し」「光コンポーネント製品の需要が継続することにより」。
配当予想は年38円(中間19円・期末19円)で修正なし。
→ 進捗の目安:1Qの営業利益1,048億円は、中間予想1,980億円に対して52.9%、通期4,320億円に対して24.3%にあたります。
🧭 予想EPSが変わり、同じ株価でもPERの見え方が変わる
8/7終値5,185円を、修正前の予想EPS 138.31円で割ると37.5倍、修正後の196.88円で割ると26.3倍。このページの第3章(PERの2年推移)と第4章(価格の地図)のPERは、いずれもまだ修正前EPS基準のままです。
→ このPERの変化は、会社が予想利益を4割強引き上げたこと(=上の2項目)がPERの分母に入った結果です。章によって分母の基準が違う状態になっているので、②で宿題として扱います。
🏭 同業・古河電工の1Q(8/6 14:00開示)と設備投資の決定(8/4)
1Qは売上3,652億円(前年同期比+24.3%)、営業利益255億円(同+205.4%)。光ソリューションは売上600億円(+45.6%)・営業利益92億円(前年同期比99億円改善)、情報コンポーネントは売上596億円(+32.8%)・営業利益74億円(+105.2%)。いずれも短信本文に「データセンタ関連製品等の売上増等により」と記載。通期予想も営業利益950億円→1,230億円(+29.5%)へ修正しました。
加えて8/4に「光ファイバおよび光ファイバケーブルの生産に係る固定資産の取得」を開示。米国・ブラジル・日本・インドで生産能力を増強し2028年度下期より順次稼働、「本投資にあたっては、長期のものも含め、顧客からの購入コミットメントを確認しております」と記載しています。
→ 解釈:データセンター向けの光関連については、前週の住友電工(情報通信関連の売上+40.3%・7/31開示)に続き、今週はフジクラと古河電工が同じ向きの数字を出しました。ただし製品構成は各社で異なります。
📊 週の値動き(各日の終値)
8/3 4,290円(+2.8%)→ 8/4 4,628円(+7.9%)→ 8/5 5,073円(+9.6%)→ 8/6 4,596円(▲9.4%)→ 8/7 5,185円(+12.8%)。週間高値5,280円・安値4,008円(いずれも取引時間中)。週間の売買代金は約1兆5,395億円で、うち8/7だけで約6,215億円。8/7終値5,185円は、25日移動平均(8/7時点4,698円)の上にあります(7/31時点は25日線4,925円に対して終値4,172円)。
同じ週の騰落は古河電工+22.6%、キオクシア+2.6%、アドバンテスト▲1.0%、レーザーテック▲1.2%、東京エレクトロン▲1.8%、住友電工▲2.5%、ファナック▲8.4%、TOPIX+1.8%。
→ 解釈:先週は「AI・半導体全体の値動きと重なっていた」週でしたが、今週の上げは電線・光ファイバの2社(フジクラ・古河電工)に偏っています。なお決算は取引時間中の14:00開示のため、日足のデータだけでは何時に動いたかまでは分かりません。報道(Bloomberg 8/7)は、上方修正と株価上昇を同じ記事で伝えています。
⚖️ 信用倍率は26.4倍→31.2倍
7/31時点で買い残2,442万株(前週2,499万株)、売り残78.3万株(前週94.7万株)。買い残・売り残とも減りましたが、売り残の減り方が大きく倍率は上がりました。
→ 注意:これは決算前(7/31時点)の残高で、8/3〜8/7の上昇局面は含まれていません。その分は8/7時点の残高(次回公表)に出ます。
📝 そのほかの開示
短信の後発事象に、中国の合弁会社「藤倉烽火光電材料科技有限公司」(光ファイバ用母材の研究開発・製造・販売)の持分60%全部を烽火通信科技へ譲渡する決議(7/10取締役会)を記載。譲渡価額500.24百万人民元、時期は2026年9月下旬予定、譲渡損益は「影響は軽微であります」とされています。同じ8/7に、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての自己株式の処分も開示されました。
② 見立ては変わったか → 🚩 要検討
理由は3つあります。
1. 予想EPSが138.31円→196.88円に変わりました。第3章「PERの2年推移」の説明文(PER 32.3倍・株価4,472円という記述)と、第4章「価格の地図」の各帯に添えたPER換算は、いずれも修正前EPS 138.31円で計算された数字のままです。あわせて第5章の25日線(本文の表記は5,326円/8/7時点の実測は4,698円)と売買集中帯の基準日も古いままです。次の本文更新でこれらの基準を揃えます。
2. 本文の「崩れる合図」に挙げた2つについて、今週の実測は次のとおりです。1つ目「8月上旬の決算で情報通信の伸びが止まる」→ 情報通信は売上+83.9%・営業利益+188.3%でした。2つ目「25日線を回復できないまま信用買い残が再び増える」→ 8/7終値5,185円は25日線(4,698円)の上で、信用買い残は2,499万株→2,442万株です。
3. 前回(8/1)に挙げた支持帯の扱い(7/29・7/30の終値が帯を2日連続下回った記録)は、まだ本文に反映していません。
4. ページ冒頭のリード文にある「高値から4割下げた」は、8/7終値5,185円では5月高値(7,933円・取引時間中)から▼34.6%です。ここも次の本文更新で直します。
※このページの見立て本体は、この週次追記では変更していません。1〜4はいずれも次の本文更新で扱う宿題です。
③ 🔒 前に見ていた材料、その後
((d)〜(f)の条件文は8/1に書いたまま・書き換えていません。各行の「…」より後が、その後に分かった事実です)
(d) 8/6の古河電工1Q(14:00・取引時間中)で、データセンター向けの光関連が住友電工と同じ方向に出るか … 古河電工の光ソリューションは売上600億円(+45.6%)・営業利益92億円(前年同期比99億円改善)、情報コンポーネントは売上596億円(+32.8%)・営業利益74億円(+105.2%)。どちらも短信本文の説明は「データセンタ関連製品等の売上増等により」。通期の営業利益予想も950億円→1,230億円に引き上げられました。7/31開示の住友電工の情報通信関連(売上+40.3%)と同じ向きの数字です
(e) 8/7ごろの自社1Q(予測日・会社の正式発表を要確認)で、情報通信事業の増収率が6/18の上方修正の前提と整合するか … 決算は8/7 14:00に開示され、情報通信は売上+83.9%・営業利益+188.3%。ただし6/18の修正時に会社はセグメント別の前提を数字で開示していないため、増収率どうしの突き合わせはできません。分かるのは、会社が同じ8/7に通期営業利益の予想を6/18時点の3,100億円から4,320億円へ引き上げたことです
(f) 支持帯3,797〜4,247円の中で終値を保てるか … 8/3の終値4,290円で帯の上側に出て、8/4〜8/7の終値(4,628円・5,073円・4,596円・5,185円)もこの帯より上。週の5営業日はすべて帯より上で終えています。取引時間中では8/3に安値4,008円と、帯の中に入る場面がありました。なお第4章の価格の地図では同じ帯を3,794〜4,250円と表記しています(この行は8/1の凍結時の表記のまま引いています)
今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週以降に事実と突き合わせます)
(g) 引き上げ後の通期営業利益4,320億円に対して、2Q以降がどう積み上がるか。1Q時点の進捗は通期の24.3%、中間予想1,980億円に対しては52.9%。次の確認点は11月上旬ごろの2Q(中間)決算
(h) 情報通信が全社営業利益の93.5%(980億円/1,048億円)を占める構成が、2Qでどう動くか。同じ欄でエレクトロニクス(1Q営業利益4億円・▲73.5%)の変化も見ます
(i) 8/3〜8/7の上昇局面が信用残にどう出るか。7/31時点の買い残2,442万株・売り残78.3万株(倍率31.2倍)が、8/7時点の残高でどちらに動くか
(j) 9月下旬に予定されている中国合弁(藤倉烽火光電材料科技)の持分60%譲渡が、予定どおり完了するか
④ 📅 次に見るもの
・8/10(月)── 東京市場が米雇用統計(7月分)に反応する日
・8/13(木)── 東京市場が米CPI(7月分・8/12発表)に反応する日
・会社ホームページに掲載予定の1Qアナリスト向け説明会資料(8/7開催・短信に記載)
・次回公表の信用残(8/7時点)
・9月下旬 ── 中国合弁の持分譲渡の完了予定
・11月上旬ごろ ── 2Q(中間)決算
📌 今週の要点:週間では4,593円→4,172円(▼9.2%)。同じ週のTOPIXは▼0.2%。7/29に3,665円(取引時間中)まで下げたあと、7/31はAI・半導体関連の多くが反発するなかで+12.2%戻した。7/29・7/30の終値はこのページ本文の支持帯(3,797〜4,247円)を2日連続で下回り、本文に書いてある見直し条件に触れた(→②)。自社からの業績に関する開示はなし。
① 新しく分かったこと
🔻 週後半に下げ、最終日に急反発(週間▼9.2%)
7/27 4,325円 → 7/28 4,073円 → 7/29 3,760円(取引時間中の安値3,665円)→ 7/30 3,720円 → 7/31 4,172円(+12.2%)。週間の売買代金は約1兆415億円。同じ週のTOPIXは▼0.2%。
→ 解釈:週を通じてフジクラ固有の業績開示はなく、値動きの大きさはAI・半導体関連の多くと重なっていた。同じ週の騰落はキオクシア▼17.0%、レーザーテック▼12.2%、東京エレクトロン▼11.4%、住友電工▼11.5%、古河電工▼7.2%(ただしアドバンテストは+12.3%と逆方向で、セクター内も一様ではない)。7/31はキオクシア+17.7%、アドバンテスト+16.3%、古河電工+13.2%と広く反発している。
📉 本文の支持帯(3,797〜4,247円)を終値で2日連続下回った
7/29終値3,760円・7/30終値3,720円。7/31は4,172円で帯の中に戻した。
→ このページの「価格の地図」には、支持帯を終値で2日連続下回った場合はその帯の下げ止まりの記録が崩れたものとして扱う、と書いてあります。該当したので②で扱います。
🏭 同業・住友電工の1Q(7/31 15:00開示)
連結の売上高1兆3,306億円(+15.9%)、営業利益971億円(+61.0%)、純利益664億円(+89.1%)。通期予想も修正し、営業利益は前期比+7.6%の4,500億円とした。うち情報通信関連事業は売上865億円(前年同期比+40.3%)・営業利益272億円(前年同期81億円)。短信本文には「生成AI市場の拡大を背景に、データセンター向けの光配線機器、光デバイスなどの需要が増加」と記載。電力ケーブルを含む環境エネルギー関連事業は、電力ケーブルと平角巻線自体は増加したものの子会社の連結除外で減収、営業利益は銅価格上昇で増益。
→ 解釈:需要側は、データセンター向けの光関連が伸びたという内容でした。ただし製品構成は各社で異なり、そのままフジクラの数字になるわけではありません。開示は15:00=取引終了の30分前だったため、株価の本格的な反応は8/3(月)に持ち越しです。
⚖️ 信用買い残は減少、倍率は27.0倍→26.4倍
7/24時点で買い残2,499万株(前週2,556万株)、売り残94.7万株(前週94.6万株)。
→ 解釈:将来の売り注文になりうる買い残が減った分、上値の重さはわずかに和らいだ形。ただし水準としては依然厚く、戻り局面の売り圧として残りやすいというのが一般的な読み。一方、売買代金の厚い銘柄で回転は速い(両論)。
(自社の適時開示は7/28のコーポレート・ガバナンス報告書のみで、業績に関わるものはありませんでした)
② 見立ては変わったか → 🚩 要検討
理由:本文「価格の地図」の支持帯(3,797〜4,247円・3月〜6月に3回下げ止まり)を、7/29・7/30の終値で2日連続下回りました。本文に書いてある見直し条件に該当するため、支持帯の扱いは次回の本文更新で見直しが必要です。
一方、本文の「崩れる合図」のもう1つ——「25日線を回復できないまま信用買い残が再び増える」——には該当していません(買い残は2,556万株→2,499万株と減少)。
※このページの見立て本体は、この週次追記では変更していません。
③ 🔒 前回条件の答え合わせ+今週から凍結する条件
<前回(7/25)に凍結した3つ>
(a) 同業の決算で電線・電力ケーブル需要のトーンがどう出るか … ⏳ 進行中 ── 住友電工の1Qは前回この欄で8/3と見込んでいましたが、実際は7/31に開示。電力ケーブルは「増加」と記載された一方、子会社の連結除外で環境エネルギー関連事業は減収。伸びが目立ったのは情報通信(データセンター向け光関連・売上+40.3%、営業利益は前年同期の約3.3倍)。もう1社の古河電工は8/6でまだ
(b) 売買集中帯4,620〜4,760円の上で値を保てるか … ❌ 未達 ── 週間高値が7/27の4,565円で、週を通じて一度もこの帯の上に戻していません(週末終値4,172円)
(c) 25日線に近づけるか … ❌ 未達 ── 25日線は5,345円→4,925円に下がりましたが、7/31終値4,172円に対して25日線は+18.0%上(7/24時点は+16.4%上)。差は縮まっていません
<今週から凍結(8/8の更新で答え合わせ)>
(d) 8/6の古河電工1Q(14:00・取引時間中)で、データセンター向けの光関連が住友電工と同じ方向に出るか
(e) 8/7ごろの自社1Q(予測日・会社の正式発表を要確認)で、情報通信事業の増収率が6/18の上方修正の前提と整合するか
(f) 支持帯3,797〜4,247円の中で終値を保てるか(7/29・7/30に一度2日連続で割れています)
④ 📅 次に見るもの——8/3(月)住友電工1Qへの本格的な株価反応(開示が7/31 15:00=引け30分前だったため)・8/5 AMD決算・8/5公表の信用残(7/31時点)・8/6 古河電工1Q(14:00・取引時間中)・8/7ごろ 自社1Q決算(予測日)と米雇用統計。
未来のことで分かっているのは「いつ・何が出るか」だけです。各行に、日程が確定/過去の実績からの推定/日付が決まっていない監視のどれかを付けました。
日付はすべて日本時間。マクロ日程は各発表機関の公表日程、自社の予定は適時開示より。全銘柄の開示予定はアルミナのイベントカレンダーへ。
未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、同業の決算や市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。
このページは、以下の適時開示・市場データ・報道をもとにアルミナが整理・解釈したものです。
記事リンクは各社の配信(Google News経由を含む)。決算数値は適時開示の実数。見出しは配信時のものです。