ブルネロ・クチネリの思想は、AIの時代に人間をどこへ導けるか

父の涙が乾く社会へ

上空から見たソロメオ。赤い屋根の家々と教会の塔の向こうに畑が広がる
上空から見たソロメオ(2026年撮影)

ブルネロ・クチネリとは

千鳥格子のジャケットにネクタイ姿で微笑むブルネロ・クチネリ
ブルネロ・クチネリ(2026年2月、ミラノ)

ブルネロ・クチネリは1953年生まれのイタリア人です。ペルージャ近郊の農家に育ち、電気のない暮らしだったと本人は語っています。1978年に自分の名前を冠したカシミヤのニット会社を創業しました。

ミラノ証券取引所に上場するブルネロ・クチネリ社(Brunello Cucinelli S.p.A.)は、高級カシミヤを中心とする服飾ブランドです。会社の投資家向けサイトによると、2025年の売上高は14億800万ユーロ、純利益は1億4,200万ユーロで、直営店は136店あります。本拠地はイタリア中部ウンブリア州の中世の村ソロメオで、会社の説明では1985年から村の修復を始めました。

「哲学者経営者」と紹介されることもあり、本人は会社サイトで自らの経営思想を「人間主義的資本主義(Humanistic Capitalism)」と呼んでいます。利益と還元、人間の尊厳を切り離さない経営を掲げてきたことから、AIと人間の関係を考える手がかりになります。

2021年の秋、ローマで開かれたG20首脳会合の関連行事で、そのクチネリは少年時代に目にした父の涙を振り返りました。父は職場で侮辱を受け、軽んじられていましたが、なぜ辱められなければならなかったのかは今も分からないと本人は語っています。人工知能が人より多くの仕事をこなすこれからの時代に、こうした涙は減るのでしょうか、それとも増えるのでしょうか。この記事では、公開された資料や本人の言葉をたどりながら、技術と人間の尊厳について考えます。

本文では、クチネリ本人の言葉、会社の説明、第三者の報道・研究、筆者の考えを書き分けました。引用の肩にあるラベルがその区別を示しています。

1章涙の理由

2021年10月31日、イタリアの首都ローマで、主要20カ国・地域首脳会合(G20サミット)に合わせた関連行事が開かれました。テーマは環境保護や官民連携です。演壇に立った高級カシミヤブランドの創業者ブルネロ・クチネリは、世界の指導者たちを前に、自らの原点となった光景を語り始めました[1]。

G20と各国の国旗を背にした舞台に、各国首脳が並んで記念撮影をしている
2021年10月30日、ローマのG20首脳会合での首脳の集合写真。クチネリの演説は翌31日の関連行事

まだ少年だった頃に目にした、涙を浮かべる父の姿です。

本人の言葉(2021年、G20関連行事での演説)

「少年の頃、私は職場で屈辱と侮辱を受けて目に涙を浮かべる父を見ました。なぜ父が辱められ、軽んじられなければならなかったのか、今でも私には分かりません。けれども、あの目に読みとった痛みに突き動かされ、私は人間の道徳的・経済的な尊厳のために生き、働くことを人生の夢にしようと決めたのです。」

本人の話では、クチネリは農家に生まれ、電気のない暮らしを送っていました。父は職場で屈辱と侮辱を受け、目に涙を浮かべていたといいます。

働く人間が、なぜ存在そのものを軽んじられなければならなかったのか。何十年も経ち、世界的な企業の経営者になった今でも、その理由は分からないとクチネリは振り返っています。経済の合理性という理屈ではどうしても納得できない、消えない問いでした。

私たちはよく「尊厳」という言葉を口にします。けれど、きれいな言葉のままでは中身のない標語に終わってしまうでしょう。尊厳とは哲学書に閉じ込められた抽象概念ではなく、朝起きてから夜眠るまでの、具体的な暮らしの手触りであるはずです。

筆者の整理として、人が尊厳を持って生き、働くには、少なくとも次の四つの土台が欠かせません。

第一は、「侮辱されないこと」です。職場で理不尽に怒鳴られたり、さらし者にされたりして人格を傷つけられないこと。人としての誇りが守られる安全な環境を指します。

第二は、「生活できること」です。日々の働きに公正な報酬が支払われ、明日の暮らしに怯えずに済む経済的な基盤がこれにあたります。

第三は、「自分で選べること」です。日々の判断や時間の使い方に自分の意志や工夫を生かせる余地があり、機械の部品のように扱われない状態を意味します。

第四は、「役割とつながりを持つこと」です。社会から切り離されて孤立するのではなく、誰かの役に立ち、共同体の一員として認められている実感があるかどうかが問われます。

尊厳の四つの土台として「侮辱されない」「生活できる」「自分で選べる」「役割とつながりがある」を並べた図
図1 尊厳の四つの土台

この四つの土台に照らしてみると、クチネリがG20の演説で語った望みは、控えめで地に足のついたものだったと分かります。彼は世界の指導者たちを前に、莫大な富や急進的な社会変革を説いたわけではありませんでした。

本人の言葉

「人々が少し良い場所で働き、少し多くの賃金を得て、職場で自分を『考える魂』だと感じられることを望みました。」

「少し良い場所(slightly better places)」「少し多くの賃金(a little more in wages)」は、本人が語った原文通りの控えめな表現です。大きな待遇を求めたわけではありません。

尊厳は、日々の暮らしを少しずつ底上げする中にこそ宿ります。昼休みに自宅へ戻って温かい食事をとれるか。上司に怒鳴られることなく、自分を考える一人の人間だと感じられるか。どれも過大な要求ではなく、人が人として生きるための基本的な条件でした。

ところが近代以降の産業社会は、この控えめな願いをたやすく押し流してきました。効率を最大化しようと企業は作業を細かく分け、人を歯車のように扱いがちだったのです。どれだけ多くのものを、どれだけ速く安く作れるか。人の価値は、「生産性」という一つの物差しで測られるようになりました。

人の価値を生産性だけで測ってよいのか。父の涙から始まったこの問いは、人間の知性を超えるかもしれない人工知能(AI)が職場に広がるいま、切実な重みをもって私たちの足元に突きつけられています。

2章増えたのに、足りない

画面の隅で点滅する通知やメール、日々の業務を数値に変えるダッシュボードに囲まれて、私たちは働いています。近年広がった生成AIも、報告書の作成や議事録の要約、コードの補完などで作業の手間を減らし、仕事の処理スピードを引き上げました。

では、その分だけ私たちは本当に楽になったでしょうか。心にゆとりが生まれ、豊かな時間を取り戻せたとは言い切れません。作業が速く終われば次の仕事が詰め込まれ、即座の返信や常時オンラインが当たり前になっていきます。効率が上がるほど求められる成果の水準も上がり、自分の価値を絶えず数字で証明し続けなければならない重圧に追われてはいないでしょうか。

技術を取り入れれば生産性が上がるのは確かです。経済学者のエリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)らが2023年に発表したワーキングペーパーを見てみましょう。ある企業1社の顧客サポート担当者5,179人に生成AIの支援ツールを導入したところ、1時間あたりの課題解決件数が平均14%増えました。とくに経験の浅い労働者やスキルの低い労働者ほど、効果が大きかったと報告されています[2]。もっとも、これは1社の特定業務を測った結果にすぎず、社会全体の生産性や給与、余暇が増えた証拠ではありません。

技術が生み出した生産性の果実は、どこへ向かうのでしょうか。筆者の整理では、生産性の向上で生まれた余剰には、大きく四つの行き先があります。

第一は、「労働者の賃金の引き上げ」です。第二は、「労働時間の短縮」です。同じ成果を短い時間で達成し、余った時間を人間に返すことです。第三は、「資本所有者や企業の利益」です。株主への配当や役員報酬、企業の内部留保として蓄積されることです。第四は、「製品やサービスの価格低下」です。より安く高品質なものが消費者に届くことです。

生産性の向上から賃金、時間、所有者の利益、価格の低下の四つへ分かれ、その配分を企業の配分・交渉・所有・制度が決めることを示す図
図2 果実の四つの行き先

大切なのは、技術が進歩しても、果実がどのルートへ流れるかは「自動的には決まらない」という点です。どこへどれだけ配分するかは、企業の経営判断や労働者の交渉力、所有の仕組み、そして社会の法制度に左右されます。

国際通貨基金(IMF)の職員が2024年に発表した分析論文では、英国の経済データに較正したシミュレーションモデルを使い、生成AIの普及が将来の所得分配にどう響くかを調べています[3]。それによると、AIが高所得層の専門職の仕事を補う場合には労働所得の格差が広がりうるほか、資本の収益率が高まって富の集中が進むシナリオも描かれました。一方で、生産性が十分に伸びれば、多くの労働者の所得が増える可能性もあわせて検討されています。

雇用そのものへの影響も、冷静に見極めなければなりません。国際労働機関(ILO)が2025年に発表した推計報告書によると、世界の労働者の「4人に1人」が、生成AIの何らかの曝露(影響を受ける可能性)がある職業に就いていると試算されました[4]。

ILOが強調するように、「曝露」とは職業が丸ごと自動化されて職を失うことではありません。仕事の中身や、求められる職務の組み合わせが変わることを指します。業務の一部をAIが担い、人間は別の役割を求められる場面が多いと見込まれており、ILOは職務の変化に適応するための社会対話を提案しています。

曝露のある職業(4人に1人)、職務が変わる、職業が消えるの三段を示し、曝露は失業率でも導入率でもないと注記した図
図3 曝露と失業は違う

では、働く現場の質はどうでしょうか。経済協力開発機構(OECD)が職場のアルゴリズム管理を調べた報告書があります。それによると、従業員の会話や通話、メールの内容やトーンを監視するソフトウェアを提供していると答えた管理職は、米国で55%、調査対象の欧州諸国で6%、日本で8%に上りました[5]。

この調査は管理用ソフトウェア全般を対象としており、すべてが最新のAIによる監視とは限りません。それでも一部の職場では、働く人のやり取りがソフトウェアで把握されている実態があります。生身の上司が浴びせる怒声とは違う、システムによる静かな監視のもとで、別の形の屈辱が生まれかねない状況です。なお、クチネリ社の年表によれば、同社は2018年に「Human Privacy」というキャンペーンを実施しました。公的な領域と私的な領域を調和させるには、適切なプライバシーの保護が欠かせないとしています[6]。

監視と表裏一体の問題が、人間側の依存です。

マイクロソフト社の研究者を含むLeeらは2025年の調査で、知識労働者319人による936件の生成AI利用事例を分析しました。その結果、AIツールへの信頼感が高まるほど、自分の頭で批判的に考える認知的な労力を減らす傾向があるという相関関係が報告されています[7]。

もっとも、この調査は自己申告をもとに相関を確かめたもので、思考能力が恒久的に落ちるといった因果関係を実証したわけではありません。同じ論文では、人間の役割がゼロから考える作業から、AIの出力を批判的に検証して複数の回答を統合し、作業全体を監督する思考へと移りつつある側面も指摘されています。

技術のおかげで効率は上がりました。しかし、生まれた果実を誰にどう届けるかという設計がなければ、働く人の負担は減りません。生産性を高めてもなぜか足りないと感じるのは、この分配の設計が抜け落ちているからです。

3章思想が村になった

増え続ける生産性の果実は、人間の暮らしと尊厳へ本当に還元できるのでしょうか。もし可能ならどのような形をとるのか、ここからは具体的な事例を見ていきます。

この問いに向き合う実践の場の一つが、イタリア中部ウンブリア州にあります。ペルージャ県コルチャーノ市にあるソロメオという村です。クチネリ本人は、アッシジの近くにある14世紀の中世の村だと紹介しています[1]。

糸杉の並木が続く道の先、丘の上に見えるソロメオの村の全景
村の全景。1985年から家族による修復が始まったと会社は説明する

会社の説明によると、ソロメオの修復は1985年に家族の手で始まり、生活と労働、文化と自然が調和する空間をつくろうとしたといいます[8]。

ソロメオでの働き方は、一般的な企業の常識からすると独特です。同社のサステナビリティ報告書によれば、ソロメオの所定勤務時間は朝8時から夕方17時30分までと定められています[9]。昼休みは90分間あり、タイムカードでの打刻管理もありません。

報告書には、昼休みを社内レストランや屋外で過ごせるほか、自宅へ帰って家族と過ごすこともできると書かれています。そして夕方17時30分になれば、その日の仕事は終わりです。

ただし、ここで事実の限界を書き添えておく必要があります。「8時から17時30分、昼休み90分、打刻なし」という取り決めは、あくまでソロメオの工房における所定労働時間についての会社側の説明です。海外の従業員や、外部の委託先・下請け工房の職人たちにまで同じ労働時間や休息が適用されているかどうかは確認できていません。

7時から19時の時間軸に、8時から17時30分の所定時間と昼休み90分を示した図。所定時間であり実労働時間の実態ではないと注記
図4 ソロメオの一日

賃金と還元についても、同社は方針を掲げています。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は2025年の記事で、クチネリ社の従業員の給与水準がイタリアの同業他社の平均を約20%上回っていると報じました[10]。

同じ記事は、利益の20%が毎年慈善活動に寄付されているとも伝えています。クチネリ本人も2013年のインタビューで、過去に利益の20%を教会の修復や生活困窮家庭の支援、劇場の建設などに充ててきたと語りました[11]。また会社の説明では、2010年に「ブルネロ・フェデリカ・クチネリ財団」を設立し、文化や地域の支援を行っています[12]。

もっとも、この「20%」という数字にも留保が必要です。FTの記事には、給与が20%上回る対象職種や地域、具体的な計算の根拠は示されていません。「利益の20%の寄付」についても、個人資産からの支出か会社の利益か、税引き前か後かといった会計上の定義は不明です。毎年厳密に20%が拠出され続けているかを示す第三者の監査実績も確認できていません。

ただ、同社の取り組みは賃金だけにとどまりません。職人の技術そのものを尊び、次の世代へ引き継ぐ仕組みもつくっています。会社の説明によれば、2013年にはソロメオの村に職人学校を設立しました[13]。

輪針で編みかけの毛糸の帽子と毛糸玉
輪針で帽子を編む手仕事(一般的な例。ソロメオやクチネリ社の工房ではない)

この学校には仕立てやリンキング(編み地をつなぐ手仕事)、ニットの補修などの講座があり、受講者には月額の補助が出ると会社は説明しています[14]。ただし、補助金の具体的な金額や修了後の正式な就職率といった詳細は、公表資料では確認できていません。

古い工場をどう扱ったかについて、本人は次のように語っています。

石造りの外壁と鐘楼をもつソロメオのサン・バルトロメオ教会
サン・バルトロメオ教会(2009年撮影、修復前)

本人の言葉

「私たちは前世紀に建てられた古い工場で働いています。修復し手を入れて現代的にしたものもあれば、取り壊して土地を農地、とくにブドウ畑、オリーブ畑、果樹園、小麦畑に戻したものもあります。こうして、ようやく私たちは愛する土地を消費しなかったと言えるのです。」

取り壊した工場の跡地は農地へ戻されました。また会社は、村の劇場や野外劇場、哲学者の庭、図書館も紹介しています。

オリーブの木々に囲まれた、白い石の段が弧を描く屋外の円形劇場
ソロメオのクチネリ劇場に併設された野外劇場(2014年撮影)

同社の記録によると、2019年5月には技術企業の経営者らがソロメオに集まり、「魂と経済についてのシンポジウム」が開かれました。その憲章には次のように記されています[15]。

中央の利益から、少し多い賃金、職人学校、村の修復と文化施設、財団、工場を農地へ戻した土地の五つへつながる図。割合や年別の拠出額は確認できていないと注記
図5 利益と還元の循環

本人の言葉(2019年、ソロメオでの憲章)

「私たちは、利益と還元を決して切り離さないと誓いました。還元とは返済でも貸しでもなく、精神を生み出すこと、あらゆる利益の尊厳から咲く花なのです。」

利益を社会へ還元することは、後ろめたさを埋めるための寄付でも、見返りを求める貸付でもありません。健全な利益そのものから自然に生まれるべきものだ、という考えを筆者はここから読み取ります。

筆者としてここで注目したいのは、ソロメオの実践において学ぶべきなのは、創業者の個人的な善意そのものではないということです。個人の善意だけに頼った配慮は、経営者の交代や業績の変化によって失われかねません。クチネリが行ったことの本質は、自らの思想を、所定労働時間の区切り、昼休み、給与水準、職人を育てる学校、農地へ戻した土地の活用といった、具体的な制度や空間の仕組みへと置き換えたことにあります。思想を日々の就業の形や村の空間として定着させた点にこそ、ソロメオという村の具体性があります。

4章ソロメオを疑う

ソロメオの風景や働き方を知ると、希望が湧いてきます。けれども、その思想を現実の社会に引き寄せて考えるには、慎重な検証が欠かせません。

まず押さえておきたいのが、ブルネロ・クチネリ社を取り巻く事業環境の特殊性です。

同社が扱うのは高級カシミヤ製品で、顧客は限られています。高価格・高利益率・限られた顧客という条件があるからこそ、17時30分の終業や90分の昼休み、村の修復、職人学校への支援といった仕組みを保てるわけです。筆者の考えとして、この実践はあくまで高級品市場という特殊な経済条件の上に成り立っています。激しい価格競争にさらされる一般企業へそのまま当てはめるのは簡単ではない、という視点を見落としてはなりません。

ファッション業界の専門メディア「ビジネス・オブ・ファッション(Business of Fashion)」は2025年の記事で、高級品の需要が落ち込むなかでも同社が成長を続けていることを取り上げました。その中では、クチネリの道徳主義をマーケティング戦略とみる批判者もいると紹介されています[16]。

同じ記事は、カシミヤ自体が環境・社会・政治の面で倫理的な問題を抱える素材であることや、他の高級ブランドと同様に芸術・文化への寄付をブランドイメージの向上へ生かしてきた点にも触れています。一方で、2018年に株式の6%を売却して慈善活動のために1億ユーロの基金をつくったことは、信念を行動で示した例として挙げられました。法令違反などを告発する内容ではありませんが、思想とビジネスの関係を考える手がかりになります。

柵の前に立つ、白く長い毛のヤギ2頭
カシミヤの原料となるヤギ

さらに、サプライチェーン(供給網)の労働環境をめぐる動きも報じられています。

2026年7月16日、ロイター通信は、高級ブランドのサプライチェーンにおける労働搾取疑惑の捜査に関連して、イタリア当局がブルネロ・クチネリ社を含む9社に資料提出を命じたと報じました[17]。

ロイターが伝える通り、クチネリ社を含むブランド企業そのものが捜査対象になったわけではなく、裁判所による特別管理などの処分が同社に求められたわけでもありません。自社工場の問題が報じられたのでもなく、分かったのは不適切な作業場で同社の包装材の一部が見つかったという点でした。同社は驚きと悲しみを表し、当局への協力を約束しています。自社が直接目を配るソロメオの工房は人間的であっても、幾重にも連なるサプライチェーンの末端まで理念を行き届かせるのは難しいという現実が、ここから浮かび上がります。

会社が公表した2025年の連結サステナビリティ報告書にも、供給網の課題が記されています[18]。同社が2025年中に取引先の職人工房396件を監査したところ、前年からの継続分を含め12件の不適合が確認されました。うち4件の工房とは年内の是正計画で合意し、2件は工房側が事業を閉じて取引を終え、残る6件は評価が続いているといいます。

同じ報告書では、通勤中の事故を含む従業員の労働関連の負傷が年間56件あったことも明かされています。監査を行って問題点を開示する会社の姿勢は大切ですが、監査をしているからといって供給網全体に問題がない証明にはなりません。

ここで、公開資料や第三者の調査からは現時点で「確認できていないこと」を整理しておきます。

確認できていないこと

  • ソロメオ以外の全世界の従業員や、外部委託先・下請け工房における実際の賃金水準と待遇
  • 所定労働時間(8:00〜17:30)と、持ち帰り残業などを含む実質的な労働時間とのあいだに乖離がないかどうか
  • ソロメオの社内レストラン(食堂)が、現在も従業員に対して完全に無料で提供され続けているかどうか
  • クチネリ財団へ実際に拠出されている年別の正確な金額推移と、それが会社の純利益に対して占める正確な割合
  • 修復された劇場や文化施設が、企業のプロモーション用にとどまらず、一般の地域住民全体に対してどれほど平等に開放され、実際の便益をもたらしているかについての第三者による評価

これらの未確認事項や批判的な視点は、クチネリの実践を全否定するものではありません。どのような企業であっても市場の制約や供給網の複雑さと無縁ではいられないからこそ、ソロメオを無謬の聖域としてではなく、現実の制約の中で仕組みを作ろうとする試みとして見る必要があります。筆者の考えとして、私たちが学ぶべき教訓は、思想を制度や空間に落とし込み、外部からの批判や監査にさらされながら直し続けていくプロセスそのものにあります。

5章機械は重荷を引き受けられるか

ソロメオの実践を見たところで、中心の問いへ戻りましょう。AIによる生産性の向上と人間主義的な思想は、本当に両立できるのかという問題です。

機械に人間の重荷を肩代わりさせようという発想は、古くからありました。クチネリは2023年8月に発表した公開書簡「人工知能と人間の知性についての書簡」で、古代ギリシアの哲学者アリストテレスの言葉を引いています[19]。

クチネリが取り上げたのは、命令の言葉や知的な先取りによって自ら仕事をこなす道具を描いたアリストテレス『政治学』の一節です。道具が自律して動けば人間を重労働や隷属から解放できるという着想を受け継ぎつつ、クチネリは現代の人工知能が秘める可能性に目を向けます。ただ、安易な技術礼賛には陥らず、書簡ではっきりとした条件をつけました。

本人の言葉(2023年の書簡)

「したがって人工知能は、恐れるべきものでないとすれば、世界にもたらしうるあらゆる恩恵ゆえに尊ばれるべきもののようです。それが今日の生活の物質的な重荷から人間を解放し、自然と調和して過ごす生の次元、時間、空間を人間に返してくれる限りにおいて。」

「〜返してくれる限りにおいて(to the extent that)」。この条件にこそ、彼の思想の核心があります。

現代の暮らしを縛る単調で過酷な物質的・事務的負担から人を解き放ち、豊かな時間と空間を取り戻してくれるなら、AIは尊ばれるべきものになります。反対に、人をさらなる過密労働へ追い立てるだけなら称賛には値しない、という境界線です。

筋道を立てて考えれば、AIの力と人間主義の理想が結びつく未来は十分に思い描けます。データの集計や定型書類の作成といった反復作業をAIが引き受ければ、労働時間は短くできるでしょう。浮いた時間で人は深く学び、芸術に触れ、丁寧な手仕事や思索に向き合えます。対話の現場でも、効率化で生まれたゆとりを生かし、一人ひとりに寄り添う人間的な関係を築けるはずです。

ただし、2章で見た四つのリスク(利益の集中、雇用の移行、監視、依存)が同時に起こりうるのも現実です。

では結局、AIによる生産性の向上と人間主義は両立するのでしょうか。

筆者の考えは、「条件付きで、はい」です。両立はできますが、技術の進歩が自動的に実現してくれるわけではありません。成り立たせるには、次の四つの条件が要ります。

第一に、「分配を決めること」です。技術が生み出した余剰の果実がどのルートへ流れるかをあらかじめ設計することです。第二に、「経営判断」です。余剰を株主だけでなく、現場の労働者の賃金や労働時間の短縮へと配分する意思決定です。第三に、「制度」です。雇用の移行を支え、過度な監視を規制する社会的なルールを整備することです。第四に、「人の自律を守る」ことです。効率が高くとも、人間が自らの意志で考え、判断する領域を侵させないことです。

起こりうる利点と同時に起こりうるリスクのあいだに、分配を決める、経営判断、制度、人の自律を守るという条件を置いた図
図6 両立の条件

この両立がいかに難しいかを映すように、クチネリ自身の言葉にも技術への見方に揺れが見られます。

同社の公式サイトにある署名なしの公式ページ(一人称で書かれた文書)では、AIへの強い期待が語られていました。「人類は初めて、最も聡明で才能ある人間の知性をはるかに超える知性を生み出しうる。それは計算や分析だけでなく、何より学び、統合し、創造し、決定する能力においてです」と記し、AIが創造の領域に届く可能性にも踏み込んでいます[20]。

回廊に囲まれた広場の奥に建つ、石造りの聖堂と鐘楼
アッシジのサン・フランチェスコ大聖堂。ソロメオと同じウンブリア州にある

ところが、聖フランチェスコを題材に2026年に発表された公開書簡では、違う見方が示されました[21]。聖フランチェスコなら今日こう語るだろうとクチネリが想像して綴ったその文章には、詩が創造的なのは狂気があるからであり、理性から生まれたAIは狂気を持たないため「創造することはできない」と書かれています。

ただ、この食い違いを論理の破綻とみなす必要はありません。どちらも計算機科学の厳密な分析ではなく、未知の知性を前にその力へ圧倒されながら、それでも人間ならではの領分を守ろうとする思想家の葛藤だからです。

筆者の考えとして、この揺らぎにこそ技術と向き合う誠実さが表れています。AIを侮りもせず盲従もせず、人が人であり続けるための境界線をどこに引くか考え抜く姿勢です。AIと人間主義が両立するかどうかは、技術に何ができるかではなく、その技術を使ってどんな社会を築くかという私たちの決断にかかっています。

6章誰が、何を変えられるか

社会の姿を決めるのは人間の選択だと言われても、時には無力感を覚えるかもしれません。大きな企業が最先端のAIモデルを持つ現実を前にして、個人に何ができるのかという疑問が湧くためです。

けれども、誰か一人がすべてを変える必要はありません。人間主義の実践は、違う持ち場にいる人々が足元の小さなレバーを引くことで積み上がっていきます。

ここで押さえておきたい前提があります。働くことへの価値観は一人ひとり違うという点です。仕事に創造性を注ぎ込み、働くこと自体に生きがいを見いだす人もいれば、仕事は生活の糧を得る手段と割り切って、その外に生きがいを求める人もいます。人間主義は特定の働き方を全員に押しつけるものではありません。働くことに意味を見いだす人も、仕事の外に生きがいを求める人も、双方が等しく一人の人間として尊厳を守られる社会を目指す思想です。

この前提に立って、経営者・個人・AI開発者・社会という四つの立場から踏み出せる一歩を考えてみます。

第一は、「経営者や職場のリーダー」にできることです。

まずは人間に「時間を返す設計」を取り入れます。会社の説明にある17時30分という区切りや、クチネリ本人が語る「適切な時間だけオンラインでいる」という姿勢のように、勤務時間と私的な時間の境目をはっきり引くのです。効率が上がった分を新しいノルマの上乗せに回すのではなく、労働時間の短縮や休暇として働く人の暮らしへ還元していく判断が求められます。

あわせて、部下を数値で管理する誘惑に抗い、アルゴリズムによる常時監視をしないと決めることも欠かせません。ログや行動を監視して絞り出した短期的な効率は、働く人の自発性と誇りを傷つけてしまいます。

クチネリ社は「企業の長寿のための10の規則」を掲げており、その規則Vには「育成し教育しようという野心だけが個人の限界を超えて意味をもつ。あらゆる決定は一人ではなく共に下すべきだから」という言葉があります[22]。さらに規則VIIでは、「企業のCEOは12〜15年ごとに交代すべきである」という交代ルールが示されています。

筆者の解釈として、この二つの規則はAI時代の組織運営にもそのまま重なります。現場へAIツールを入れるときは、経営陣が一方的に決めるのではなく、実際に道具を使う労働者たちと対話して一緒に決めること。さらに、特定のアルゴリズムやシステムへ権限を永久に固定せず、人間が見直して入れ替える余地をつねに残しておくことです。

第二は、「働く個人」にできることです。

考える手間をAIに明け渡さない姿勢が軸になります。2026年にクチネリが発表した書簡で、聖フランチェスコなら今日こう語るだろうと想像して書かれた一節は、AIツールを使う私たちへの助言としても読めます。

クチネリが想像した聖フランチェスコの言葉(2026年の書簡)

「思考そのものをそれに委ねてはならない。思考が、大小あらゆる行いを、すみやかに有効に司り続けるように。」

Leeらの研究が示した通り、AIの回答をそのまま受け入れれば認知的な労力は省けます。けれども頼り切ってしまえば、判断の舵を手放すことになりかねません。AIが出した分析に対して、前提は正しいか、見落としている視点はないかと問い直すこと。作業の一部をAIに任せるにしても、最終的な検証や統合、全体の監督は人間自身が引き受け続けなければなりません。

第三は、「AIを開発する技術者やデザイナー」にできることです。

モデルやシステムを設計するとき、能力の最大化ばかりを追うのではなく、「何を守るためにその能力を高めるのか」を問い続けます。利用者を過度に依存させる仕組みや、労働者を監視・選別するスコアリング機能に対して、人間の尊厳を損なわないか立ち止まって吟味する倫理的な視点が欠かせません。

第四は、「社会と制度」にできることです。

ILOが提案するように、現場へのAI導入をめぐって労働者や市民、政府が話し合う「社会対話」の場を設けます[4]。加えて筆者の考えとして、生産性向上の果実をきちんと賃金へ反映させる枠組みを整え、行き過ぎた監視から暮らしを守る法的なルールを設計していく必要があります。

経営者、個人、AI開発者、社会の四つの立場ごとに、踏み出せる一歩を並べた図
図7 四つの立場、それぞれの一歩

筆者の考えとして、これら四つはどれか一つが実現するのを待つものではありません。それぞれの立場にいる人が、自分の持ち場で動かせるレバーを一つ引くこと。その連鎖があってはじめて、技術を人間の尊厳に仕えさせる社会へ舵を切れます。

7章何を守るために、賢くなるのか

丘の上に石造りの家々と教会の塔が並ぶソロメオの村。手前に畑と道路が広がる
ソロメオ(イタリア・ウンブリア州)

人工知能の研究開発は日常業務の効率化にとどまらず、人間の知性を上回る人工超知能(ASI)の領域へと向かっています。そこで研究者が向き合っている課題の一つが「アライメント」です。賢くなった人工知能の目的や行動を、人間の意図や倫理、真の福利とどう一致させ続けるかという制御の問題を指します。

クチネリはこの最前線にも関心を寄せてきました。2023年の書簡では、倫理的な枠組みを探る動きに触れながら、古代ギリシア人が定めた「ノモス(掟・規範)」を引き合いに出し、技術を律する共通の規範が求められていると述べています[23]。

同社の公式ウェブサイトにも、「すべての人に開かれ、誰もが利用できる『正しい』人工知能をつくることは可能だと考えたい」という一人称の言葉が掲げられています[24]。さらにクチネリは、技術者たちへ次のように呼びかけました。

本人の言葉(2023年の書簡)

「私は、現代の技術のレオナルドたちが、人間主義的な価値を自らの創造の源として見つめることを期待しています。そうしてはじめて成果にその価値がしみ込み、人工知能は人類にとって最高水準の善に到達するでしょう。」

筆者はこの言葉を、アライメントの目的は人間の尊厳を守るところにあるべきだと示したメッセージとして読みます。ただ、思想や目的を語ることと、システムが実際に安全に動くと保証することは別問題です。

2026年2月に公表された『国際AI安全報告書(International AI Safety Report 2026)』は、最新の知見をもとに安全管理の限界をまとめました[25]。報告書によると、安全対策を組み合わせても完全には信頼できず、事前に評価しても現実の環境でどう振る舞うか予測できない場合があります。人間が間に入る対策も自動化バイアスや時間の制約から限界を免れず、将来制御を失うリスクをめぐっては専門家の見解も分かれたままです。

技術のリスクを減らす実務的な枠組みとしては、米国立標準技術研究所(NIST)が定めた「AIリスクマネジメントフレームワーク(AI RMF 1.0)」があります[26]。その中の「MANAGE 2.4」が求めているのは、意図した用途に合わない性能や結果を出したAIシステムへの備えです。そうしたシステムを置き換えたり、切り離したり、無効化したりする仕組みを用意して運用し、誰が責任を持つかを割り当てて関係者が理解しておく必要があります。

もっとも、これも事業者が参照する管理の枠組みであって、絶対的な安全を客観的に保証するものではありません。

筆者の整理として、「人間の尊厳」という思想が現実の安全な仕組みとして働くまでに、少なくとも6つの段差があります。

第一段の「目的(尊厳)」は、何を守るために開発するのかという理念。第二段の「評価基準」は、尊厳を守るための客観的で測定可能な指標。第三段の「異議申立て」は、判定に対する不服申立ての権利と窓口。第四段の「独立検証」は、利害関係を持たない第三者機関による監査。第五段の「監督」は、運用中のシステムを監視し異常を検知する体制。第六段の「修正・停止」は、問題発生時にシステムを安全に停止・置換できる権限と仕組み。

目的(尊厳)、評価基準、異議申立て、独立した検証、監督、修正・停止の六段の階段。思想が与えるのは最初の段までで、保証ではないと注記した図
図8 思想から仕組みまでの距離

クチネリの思想が与えてくれるのは、この階段の最初にあたる「一段目(目的)」です。二段目から六段目までの実務を組み立て、検証し続ける責任は、私たち自身の手元に残されています。

加えて、「人間の価値観」自体も一つではありません。文化も個人の信条も多様であり、何を幸福とみなすかは時にぶつかり合います。ソロメオのシンポジウム憲章が掲げた「どの声も、聞かれ、しかるべく考慮されるに値する」という精神は、対話の姿勢として大切です。しかし、対立する価値観を前にしてAIへどんな優先順位を学ばせるべきか、その具体的な答えまで自動的に出してくれるわけではありません。

クチネリは2026年の書簡で、聖フランチェスコならこう語るだろうと想像しながら、「AIが人間の魂を盗むなどということは起こりえないし、決して起こらない」と記しました。ただ、これは彼自身の希望の表明として受け止めるべきもので、客観的な安全性の保証として過信してはなりません。

なお、人工超知能(ASI)がいつ実現するのか、どんな性能を持ち、安全に共存できるのかについて、現時点で科学的に確定した事実はありません。

人間主義の思想は、技術に対して「何を守るために、賢くなるのか」という目的の羅針盤となってくれます。けれども、実際に舵を握り、計器に目を配り続ける工学と制度の重荷は、人間自身が引き受け続けなければなりません。

8章涙のゆくえ

芝生の広場に建つ、白い石の連続アーチの記念碑
ソロメオにある記念碑「人間の尊厳への賛辞(Tributo alla Dignità dell’Uomo)」(2024年撮影)

2023年の書簡で、クチネリは技術の行く末を見据えながら、こんな問いを投げかけました。

本人の言葉(2023年の書簡)

「ロボットはいつか空を見上げ、心を動かされ、その目から本物の涙があふれるのを見ることができるだろうか。」

それは魂についての問いでした。

けれどもこの思索の終わりに、筆者はその問いを静かに裏返してみたいと思います。

いま私たちが真に問うべきなのは、「機械がいつか泣けるようになるか」ではありません。どれほど人工知能が高度になり、社会の生産性が高まったとしても、誰かの父親が職場で理不尽に辱められ、軽んじられ、目に涙を浮かべて家に帰ってくるような社会であるなら、その社会は豊かではないということです。

目指すべき未来を測る物差しは、機械がどれだけ人間に近づくかではなく、人が人としての尊厳を傷つけられずに生きていけるかどうかにあります。

私たちは長いあいだ、国内総生産(GDP)や企業の利益、処理スピードといった経済効率の物差しばかりで社会の進歩を測りがちでした。しかし、生産性が高まって物質的な重荷から解放されうる時代には、豊かさの意味をもっと広げられます。

深く学んで知識を分かち合い、芸術や自然の営みに触れる。友人や家族と食卓を囲んで語り合い、自分の手で何かを創り出し、静かな時間を心ゆくまで味わう。そうした生の次元を取り戻すためにこそ、技術は進歩するはずです。

しかも、その豊かさを特定の型に押し込めてはなりません。働くこと自体に誇りを持ち、技を極める生き方は尊いものです。同じように、仕事は暮らしを支える務めと割り切り、その外にある私的な世界を愛でる生き方も等しく尊ばれるべきでしょう。人の価値を一つの物差しで測らない社会とは、どんな生き方を選んでも尊厳が脅かされない社会を指します。

クチネリは、少年時代に祖父から教わった大切な記憶を語っています。畑で麦を収穫したとき、最初に刈り取った麦の束は、祖父の言いつけで自分たちのものではなく地域の共同体へ手渡されました。

収穫の最初の果実を独り占めせず、まず周りの人たちへ差し出すこと。クチネリはこの祖父の教えから、利益と還元の釣り合いを学んだと語りました[27]。

いま、人工知能という力強い道具が、大きな収穫をもたらそうとしています。最初の果実を誰のもとへ届けるのか。少数の利益として独占するのか、それとも現場で働く人々の尊厳ある暮らしと自由な時間へ手渡すのか。選ぶ権利は、私たちの手の中にあります。

末尾資料(注・写真・図について)
注(出典 27件)
  1. [1]Brunello Cucinelli, "Speech by Brunello Cucinelli to the World's Great Leaders on the occasion of the G20", Rome, 31 October 2021. 本人演説。会社報告によれば首脳会合2日目の環境保護関連イベントにおける演説。https://www.brunellocucinelli.com/en/thoughts/speech-on-the-occasion-of-the-g20.html 本文へ
  2. [2]Brynjolfsson ら, "Generative AI at Work", NBER Working Paper 31161, 2023. 1社の顧客サポート担当者5,179人を対象とした実証研究。https://www.nber.org/papers/w31161 本文へ
  3. [3]"Gen-AI: Artificial Intelligence and the Future of Work", IMF Staff Discussion Note, January 2024. 英国データに較正した理論モデル分析。https://www.imf.org/en/Publications/Staff-Discussion-Notes/Issues/2024/01/14/Gen-AI-Artificial-Intelligence-and-the-Future-of-Work-542379 本文へ
  4. [4]"Generative AI and Jobs: A global analysis of potential effects on job quantity and quality (2025 Update)", International Labour Organization (ILO), 2025. 曝露推計。https://www.ilo.org/publications/generative-ai-and-jobs-2025-update 本文へ
  5. [5]OECD, "Algorithmic Management in the Workplace", OECD, 2025, pp. 25–26. 会話・メール監視ソフトの提供割合に関する管理職調査。https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/publications/reports/2025/02/algorithmic-management-in-the-workplace_3c84ed6d/287c13c4-en.pdf 本文へ
  6. [6]Brunello Cucinelli S.p.A., "Technology, Humanism and Artificial Intelligence: Timeline of early times (February 2018)", 公式サイト年表。https://www.brunellocucinelli.com/en/technology-humanism-and-artificial-intelligence.html 本文へ
  7. [7]Lee et al., "The Impact of Generative AI on Critical Thinking: Self-Reported Reductions in Cognitive Effort and Confidence Effects From a Survey of Knowledge Workers", ACM CHI 2025 / Microsoft Research. 知識労働者319人の自己申告調査。https://www.microsoft.com/en-us/research/publication/the-impact-of-generative-ai-on-critical-thinking-self-reported-reductions-in-cognitive-effort-and-confidence-effects-from-a-survey-of-knowledge-workers/ 本文へ
  8. [8]Brunello Cucinelli S.p.A., "2025 Report on Humanistic Capitalism and Human Sustainability", pp. 99–101. 家族による村の修復の記録。https://investor.brunellocucinelli.com/yep-content/media/009_RELAZIONE%202025_EN4.pdf 本文へ
  9. [9]Brunello Cucinelli S.p.A., "Consolidated Financial Statements 2025 including Consolidated Sustainability Report", 労働時間の節(8:00〜17:30、昼休み90分)。https://investor.brunellocucinelli.com/yep-content/media/Consolidated_Financial_Statements_2025_including_Consolidated_Sustainability_Report.pdf 本文へ
  10. [10]Financial Times, 2025(企業IR転載版). 給与が業界平均約20%上回る点、利益の20%寄付に関する報道。https://investor.brunellocucinelli.com/yep-content/media/Financial_Times_ENG.pdf 本文へ
  11. [11]Welt am Sonntag, "Interview with Brunello Cucinelli", 1 December 2013 (企業プレスキット転載版). 過去の利益20%拠出に関する本人の発言。https://press.brunellocucinelli.com/yep-content/media/Welt_am_sonntag_01_12_2013_ITA_ENG_DE_JP.pdf 本文へ
  12. [12]Brunello Cucinelli S.p.A., "The Foundation and Foro delle Arti", 財団の紹介ページ。https://www.brunellocucinelli.com/en/the-foundation-and-foro-delle-arti.html 本文へ
  13. [13]Brunello Cucinelli S.p.A., "2025 Report on Humanistic Capitalism and Human Sustainability", pp. 102, 108(2013年の設立), pp. 123–124(職人学校の紹介). https://investor.brunellocucinelli.com/yep-content/media/009_RELAZIONE%202025_EN4.pdf 本文へ
  14. [14]Brunello Cucinelli S.p.A., "2024 Report on Humanistic Capitalism and Human Sustainability", pp. 118–119. 受講者補助金への言及。 https://investor.brunellocucinelli.com/yep-content/media/2024_Report_on_Humanistic_Capitalism_and_Human_Sustainability.pdf 本文へ
  15. [15]Brunello Cucinelli, "Charter of the First Symposium on Soul and Economics in Solomeo", May 2019. ソロメオ憲章。https://www.brunellocucinelli.com/en/technology-humanism-and-artificial-intelligence.html 本文へ
  16. [16]Sarah Kent, "Does Brunello Cucinelli Have the Answers to Luxury's Problems?", The Business of Fashion, 15 September 2025. 高級品需要の減速下での同社の成長を伝える記事。道徳主義をマーケティング戦略とみる批判者の存在、カシミヤの倫理的な課題、2018年の1億ユーロ基金に言及(会社IRサイト掲載のイタリア語版:BUSINESS_OF_FASHION_ITA.pdf)。https://www.businessoffashion.com/articles/luxury/brunello-cucinelli-luxury-downturn-answers/ 本文へ
  17. [17]Emilio Parodi, "Italian police visit fashion firms including Cucinelli and Moncler in labour probe", Reuters, 16 July 2026. イタリア当局の資料提出命令に関する報道。クチネリ社自体は捜査対象外。https://www.marketscreener.com/news/italian-police-visit-fashion-firms-including-cucinelli-and-moncler-in-labour-probe-ce7f5ed3db8ff02c 本文へ
  18. [18]Brunello Cucinelli S.p.A., "Consolidated Financial Statements 2025 including Consolidated Sustainability Report", pp. 193–194, 204–205. 工房監査結果(396件中12件不適合)および負傷件数(56件)。 https://investor.brunellocucinelli.com/yep-content/media/Consolidated_Financial_Statements_2025_including_Consolidated_Sustainability_Report.pdf 本文へ
  19. [19]Brunello Cucinelli, "Letter on Artificial and Human Intelligence", Solomeo, 3 August 2023. アリストテレスへの言及と条件節。https://www.brunellocucinelli.com/en/thoughts/letter-on-artificial-and-human-intelligence.html 本文へ
  20. [20]Brunello Cucinelli S.p.A., "Technology, Humanism and Artificial Intelligence", 公式サイト冒頭文(署名なし・一人称)。https://www.brunellocucinelli.com/en/technology-humanism-and-artificial-intelligence.html 本文へ
  21. [21]Brunello Cucinelli, "Saint Francis and Sister Artificial Intelligence", Solomeo, 20 August 2026. 聖フランチェスコを題材にした本人の想像による書簡。https://www.brunellocucinelli.com/en/thoughts/saint-francis-and-sister-artificial-intelligence.html 本文へ
  22. [22]Brunello Cucinelli S.p.A., "Humanistic Capitalism: Company Longevity — Ten Rules", 公式サイト掲載の規則。https://investor.brunellocucinelli.com/en/humanistic-capitalism 本文へ
  23. [23]Brunello Cucinelli, "Letter on Artificial and Human Intelligence", 2023. ノモス(掟)への言及。 https://www.brunellocucinelli.com/en/thoughts/letter-on-artificial-and-human-intelligence.html 本文へ
  24. [24]Brunello Cucinelli S.p.A., "Technology, Humanism and Artificial Intelligence", 公式サイト冒頭文。 https://www.brunellocucinelli.com/en/technology-humanism-and-artificial-intelligence.html 本文へ
  25. [25]International AI Safety Report, "International AI Safety Report 2026", February 2026, p. 128. 安全対策の限界、評価の困難性、制御喪失に関する専門家の見解。https://internationalaisafetyreport.org/publication/international-ai-safety-report-2026 本文へ
  26. [26]National Institute of Standards and Technology (NIST), "Artificial Intelligence Risk Management Framework (AI RMF 1.0)", MANAGE 2.4 (システムの置き換え・切り離し・無効化の仕組み). https://airc.nist.gov/airmf-resources/airmf/5-sec-core/ 本文へ
  27. [27]Brunello Cucinelli, "Speech by Brunello Cucinelli to the World's Great Leaders on the occasion of the G20", 2021. 祖父と麦の束のエピソード。 https://www.brunellocucinelli.com/en/thoughts/speech-on-the-occasion-of-the-g20.html 本文へ
写真について(21件)

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図について

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