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2025年3月上場の「銅と半導体材料」の大手——上場直後の安値650円から1年で9倍の5,828円まで買われた。いまは高値から▼34%の3,845円。買われた物語は「AI×半導体材料」だが、営業利益1,750億円の土台にあるセグメント利益(調整前・合計2,104億円)のうち66%は銅価が主役の基礎材料で、半導体材料は19%。
銅の感応度と半導体材料の成長力を、利益の中でどう分けて測るか——決算当日に頂点をつけて翌日▼16.7%という実例も含めて、この1ページで整理する。
📌 今週の要点:週間は+2.3%(3,797円→3,886円)(同じ週のTOPIXは+1.8%)。ただし中身は決算をはさんで分かれた。8/5に+9.5%の4,350円(週間高値)まで買われたあと、8/6の引け後に1Q決算と通期の上方修正が出て、翌8/7は▼6.2%の3,886円。1Qの営業利益は814億円(前年同期比+175.5%)、通期予想は営業利益1,900億円→2,320億円・EPS 125.97円→155.80円に引き上げられた。同じ8/6の引け後に決算を出した三菱マテリアルは、8/7に+15.7%。
① 新しく分かったこと
➡️ 1Q営業利益814億円(+175.5%)、通期を営業益2,320億円・EPS 155.80円へ修正(8/6 15:30開示)
売上2,606億円(+36.2%)、営業利益814億円(前年同期296億円から+518億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益531億円(+181.3%・1株当たり56.80円)。通期予想は売上9,300億→10,250億円、営業利益1,900億→2,320億円(+420億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,140億→1,410億円、EPS 125.97円→155.80円。前提は銅520→586セント/lb(7月以降580セント)、為替150円→157円(7〜9月160円、10月以降155円)。
→ 解釈:金額は大きく増えた。ただし、何が利益を押し上げたのかは会社自身が資料で分けて示している(次項)。
➡️ 増益518億円の中身を、会社が5つに分けて示した
決算説明資料の営業損益差異分析では、1Qの増益518億円が「一過性 +191億円(カセロネス銅鉱山の一部権益の売却益+190億円)/為替・銅価等 +265億円/フォーカス事業(半導体材料+情報通信材料)の数量差 +78億円/ベース事業の数量差 ▲32億円/事業共通費用等 +16億円」と分解されている。
→ 解釈:このページが最初から置いてきた問い——「銅の追い風と半導体材料の成長を分けて読む」——に、会社自身が数字で答えた形。金額の並びでは、権益の売却益と市況が上位に来る。なお数量差+78億円の内訳は半導体材料+54億円・情報通信材料+24億円で、情報通信材料の増販について会社が挙げているのはAIデータセンター向けとスマートフォン関連の両方。
➡️ 通期の上方修正420億円について、会社が挙げた主な要因
会社のハイライト資料が挙げているのは「環境要因(市況)+400億円/チリの天候不良による鉱山減産 ▲60億円/フォーカス事業の増販 +30億円/フォーカス事業の販売単価改善 +25億円」(主な要因の抜粋で、合計は+420億円と一致しない)。事業区分別の通期営業利益はフォーカス事業820億→1,000億円、ベース事業1,240億→1,470億円。会社が示す感応度は、為替5円の円安で営業利益+70億円、銅価+10セント/lbで+35億円(銅価はベース事業のみ)。
→ 解釈:会社が挙げた要因のうち金額が最も大きいのは市況。新しい通期予想は、銅586セント・157円という引き上げ後の前提の上に立っている。
➡️ 決算翌日、同じ市況の非鉄各社と反対方向に動いた
8/7は当社▼6.2%に対し、同じ8/6の引け後に決算と業績予想の修正を出した三菱マテリアルが+15.7%。週間では三菱マテリアル+23.0%、DOWA+11.0%、住友金属鉱山+9.9%に対し、当社は+2.3%。
→ 解釈:ここで確かめられるのは騰落の差までで、理由は各社の決算の中身を含めて分かれる。ただし、このページが置いてきた「銅の会社として測るか、半導体材料の会社として測るか」という問いを試す材料にはなる。次週以降、この差が縮むか広がるかを見る。
➡️ 銅原料の統合が4か月後ろにずれた(8/6・三菱マテリアル開示)
JX金属・三菱マテリアル・三井金属・丸紅・パンパシフィック・カッパー(PPC)の5社が8/6に変更契約書を締結。三菱マテリアルの銅精鉱の購入と電気銅等の販売に係る事業をPPCに集約する吸収分割の効力発生日を、2026年10月1日(予定)から2027年2月1日(予定)に変更。理由は「国内外の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間等を勘案」(三菱マテリアル開示)。当社からの開示はない。
➡️ 信用の買い残がさらに減った(7/31時点・今週公表分)
買い残 1,963万株(7/24時点2,106万株から▲143万株)、売り残 78.2万株(同82.7万株から▲4.5万株)、信用倍率 25.1倍(同25.5倍)。買い残は25日平均出来高(8/7時点2,276万株)の0.86日分。
② 見立ては変わったか → 🚩 要検討。要検討なのは物差しのほう——本文と「価格の地図」のPER換算は、すべて修正前の会社予想EPS 125.97円で作ってある。8/6にEPSが155.80円へ変わったため、帯ごとのPER表示や本文のPERの議論の数値が古いままになっている。次回の本文更新で差し替える。一方、利益構造の読み方——「利益の柱は銅、AIの物語の主戦場は半導体材料」——については、1Qの増益の分解(一過性+191億円/為替・銅価等+265億円/フォーカス事業の数量差+78億円)が会社の資料の側から同じ絵を示しており、今回の決算だけでは変更しない。
③ 🔒 前に見ていた材料、その後(8/1に書いたまま・書き換えていません)
(1) 8/6の1Q決算で、①半導体材料セグメントの営業利益が前年同期から増えているか ②通期予想(営業利益1,900億円・EPS 125.97円)に手が入るか → ①半導体材料の1Q営業利益は144億円。前年同期は85億円で、+59億円。売上は521億円(+34.2%)。会社の差異分析では為替+8億円・数量差+54億円・コスト差等▲3億円。②通期予想は8/6に修正され、営業利益2,320億円・EPS 155.80円になった。
(2) 決算翌営業日8/7の終値が、決算前日8/5の終値から何%動くか(前回5/12は▼16.7%) → 8/5終値4,350円→8/7終値3,886円で▼10.7%。開示は8/6の15:30(引け後)で、8/6終値4,142円からは▼6.2%。なお8/6は開示前の取引時間中に▼4.8%動いている。
(3) 7/30のザラ場安値3,218円を下回る日が出るか/25日線(7/31時点3,891円)の上に終値で乗るか → 今週の安値は8/3の3,577円。3,218円を下回った日はない。25日線は8/4に終値3,971円(同日の25日線3,843円)で上に乗り、8/7終値3,886円も25日線3,831円の上にある。
今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週に事実と突き合わせます)
(1) 通期営業利益2,320億円に対する1Qの進捗は814億円=35.1%。区分別ではフォーカス事業が1,000億円に対し275億円=27.5%、ベース事業が1,470億円に対し568億円=38.6%。2Q決算(前年は11/11公表)で、フォーカス事業の進捗がどこまで来るか
(2) 8/5の高値4,350円を終値で上回る日が出るか/25日線(8/7時点3,831円)の上を終値で保てるか
(3) 銅市況が追い風の局面で、当社と非鉄各社の週間騰落の差がどう動くか(今週:当社+2.3%、三菱マテリアル+23.0%、DOWA+11.0%、住友金属鉱山+9.9%)
(4) 8/12(水)公表の信用取引残高(8/7時点)で、買い残1,963万株が増えるか減るか(8/11は山の日で休場)
④ 📅 次に見るもの——8/12(水)の信用取引残高(8/7時点)・銅のLME価格と国内の銅建値(会社の通期前提は7月以降580¢/lb、為替は7〜9月160円・10月以降155円)・2Q決算(前年は11/11公表)・銅原料統合の吸収分割契約書を承認する三菱マテリアルの取締役会(2026年11月予定・効力発生は2027年2月1日予定)・半導体材料の能力増強の稼働時期(磁性材ターゲット1.2倍・InP基板7〜10倍がいずれも2026年度下期から)。
📌 今週の要点:週間では+0.7%(3,770円→3,797円)とほぼ横ばい(同じ週のTOPIXは▼0.2%)。ただし日々の値動きは荒く、7/28にAI・半導体関連が一斉に売られて▼9.5%、7/30にはザラ場で3,218円(2/18以来の水準)まで下げた。7/31は米SOX指数の急反発を受けて+13.7%・出来高3,734万株(今週最大)で戻し、行って来いで週を終えた。当社からの適時開示は今週ゼロ。1Q決算は8/6(木)。
① 新しく分かったこと
➡️ 7/28、AI・半導体関連の一斉安に大きく巻き込まれた
TOPIXが▼2.5%の日に、当社は▼9.5%。同じ日の関連銘柄はレーザーテック▼14.1%、ルネサス▼10.5%、古河電工▼8.2%、住友金属鉱山▼5.4%。この日の下げの背景として報じられたのは、AI関連市場の調整が世界的な信用リスクになり得るとの格付け会社の指摘と、中国勢のDUV露光装置参入報道(いずれも報道ベース)。
→ 解釈:利益の柱は基礎材料(前期のセグメント利益の66%・銅の市況の影響が大きい)だが、日々の売買では半導体関連と近い動き方をしている。TOPIXとの下げ幅の差は、その見方と整合する。
➡️ 7/31の+13.7%も、きっかけは当社の開示ではなかった
前日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が8.19%高。半導体製造装置の東京エレクトロンが上期予想を上方修正したことも重なり、半導体関連に買い戻しが広がった(報道ベース)。当社自身の開示はこの週ゼロ。
→ 解釈:今週の±10%級の値動きが起きた日に、当社発の新しい情報は出ていない。業績の中身を確かめられる最初の機会は8/6の1Qになる。
➡️ 信用の買い残が減り、倍率が下がった(7/24時点・今週公表分)
買い残 2,106万株(7/17時点2,225万株から▼119万株)、売り残 82.7万株(同63.6万株から+19万株)、信用倍率 25.5倍(同35.0倍)。買い残は25日平均出来高(7/24時点2,888万株)の0.7日分。
→ 解釈:7/17時点から7/24時点にかけて、買い方の残高が減り売り方が増えた。ただ倍率25倍は、依然として買い方に大きく偏った状態。
➡️ 国内の銅建値は今週も引き上げられた
7/28付で国内の銅建値が4万円引き上げられ236万円(日本経済新聞・日刊産業新聞)。7/27時点は232万円。
→ 解釈:利益の柱である基礎材料の市況環境と、7/28〜7/30の株価の下げは、同じ方向を向いていなかった。
② 見立ては変わったか → 🟢 変更なし。今週動いたのはセクター全体の需給で、会社の中身に関する新しい開示はゼロ。見立てを点検できる会社発の材料は、いまのところ8/6の1Qが最初になる。
③ 🔒 前に見ていた材料、その後(7/26に書いたまま・書き換えていません)
(a) 8/6の1Q決算で半導体材料セグメントの増益が続いているか・通期予想(EPS 125.97円)の修正方向 → 8/6はまだ先。予定日に変更は確認されていない。
(b) 押し安値3,361円(7/17)を終値で維持できるか → 7/29終値3,331円・7/30終値3,340円で、この水準を下回った。ザラ場安値は7/30の3,218円で、2/18以来の水準。7/31終値は3,797円。
(c) 4,000円台を出来高を伴って回復できるか → 週間高値は3,930円(7/31)。4,000円台には届いていない。出来高は7/31の3,734万株が今週最大だった。
今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週に事実と突き合わせます)
(1) 8/6の1Q決算で、①半導体材料セグメントの営業利益が前年同期から増えているか ②通期予想(営業利益1,900億円・EPS 125.97円)に手が入るか
(2) 決算翌営業日8/7の終値が、決算前日8/5の終値から何%動くか(前回5/12は▼16.7%)
(3) 7/30のザラ場安値3,218円を下回る日が出るか/25日線(7/31時点3,891円)の上に終値で乗るか
④ 📅 次に見るもの——8/6(木)1Q決算(開示は引け後の見込み=反応は8/7)と決算説明資料のセグメント別営業利益・銅相場(LME・国内建値。会社の通期前提は銅520¢/lb、為替150円/ドル)・米SOX指数と海外テック決算の流れ。
未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。
丸い番号をタップすると、その出来事の「なぜ」に飛びます。
出典:株価・信用データはマーケットデータ、市場のできごとは適時開示ほか公開情報。金額は調整後終値。チャート:TradingView Lightweight Charts™
営業利益1,750億円(+55.6%)の内訳は、基礎材料1,395億(銅価の追い風)・半導体材料395億・情報通信材料315億。セグメント利益(調整前・合計2,104億円)の66%は銅価しだいの部分で、AIの物語の主戦場は合わせて34%——株価のテーマと利益の主役がずれている。EPS予想は62.47→125.97円と1年で2倍に修正の連打が続き、8/6の1Q決算でさらに155.80円へ引き上げられた。その相当部分は銅価が作っている(LME銅は2026/1/29に628セント、2026/5/13に639セントの史上最高値)。今期の会社前提は銅586セント(7月以降580セント)・157円/ドル(7〜9月160円・10月以降155円)で、5/11時点の520セント・150円/ドルから引き上げられている。
信用買い残1,963万株(7/31時点)は25日平均出来高の0.86日分・信用倍率25.1倍。上場2年目で需給がまだ落ち着いておらず、ストップ高(6/16)と▼16.7%(5/12)が同じ四半期に起きるほど短期資金の出入りが激しい。自己株式の公開買付け(6月実施)などENEOSグループとの資本関係の整理も需給イベントとして続く。
5/11高値5,828円→7/30のザラ場安値3,218円(▼45%)の調整を経て、3,200〜4,400円の荒い往来。いまの3,845円は25日線(3,822円)の+0.6%上。確認は ①7/30の安値3,218円を守るか ②8/5の高値4,350円の回復 ③11月中旬の2Q決算 で。
※「上がる/下がる」の断定はしません。いまの状態の要約と、確認すべき条件です。詳しくは以下の各章で。
650円→5,828円→3,845円という新規上場株らしからぬ振れ幅は、「銅」と「AI」という2つの別の物語が同じ株に乗っていることから来ています。層ごとに分解します。表はいちばん上が根っこ(土台)で、下へ行くほど新しい話になります。
① 開示は15:30〜16:30、反応は翌朝から
決算は引け後開示が定例です。5/11の悲劇——日中に期待で高値をつけ、引け後の中身で翌日暴落——は、この時間差が生んだもの。決算当日の日中の上げは「まだ何も確定していない」ことを覚えておくべき銘柄です。
② 上方修正の「中身」を必ず分解する
EPS予想が1年で2倍になった主因は銅価です。同じ上方修正でも、銅価由来(市況・一過性寄り)か、半導体材料の増販由来(構造・持続性)かで価値が違う。セグメント別営業利益まで見て初めてこの株は読めます。
③ 銅の前提(586セント)との差を見る
会社予想は銅586セント(7月以降580セント)/157円ドル(7〜9月160円・10月以降155円)が前提です(8/6修正)。足元の銅価がこれより上なら上振れ余地、下なら未達リスク——LME価格は決算を待たずに読める主要な先行指標です。ただし会社前提は通期平均であり、権益銅の販売時期・為替・製錬の買鉱条件悪化(減産検討・短信明記)・税効果などの一過性要因が間に挟まるため、スポット価格だけで業績は決まりません。
短期の値動きから離れて、会社そのものを見ます。JX金属は半導体材料(スパッタリングターゲット等)・情報通信材料(圧延銅箔・チタン銅・タツタ電線)・基礎材料(銅鉱山権益・製錬・リサイクル)の3セグメント。東証プライム上場・3月決算(IFRS)。数字の出どころは決算短信の実数です。
読み方 ── 成長物語(半導体・情報通信)は合計710億円=利益の34%で、3部門とも増益という点は健全。ただし増益の最大部分は基礎材料の+649億円(3部門合計+841億円に対し、全社調整等の悪化で連結の増益は625億円)。しかもその中身は銅価だけでなく、カセロネスの税効果+190億円(来期は反転▲190億円の計画・決算説明資料)という一過性要因を含む。今期の営業益計画は8/6に1,900億円→2,320億円へ引き上げられ、会社は事業区分別にフォーカス事業820→1,000億円・ベース事業1,240→1,470億円としています(決算説明資料)。会社が挙げた修正要因は環境要因(市況)+400億円/チリの天候不良による鉱山減産▲60億円/フォーカス事業の増販+30億円・販売単価改善+25億円で、金額が最も大きいのは市況です。この2,320億円を、銅前提586セントとAI材料の増販のどちらでどれだけ稼ぐ計画かを、四半期ごとに分解して見るのがこの株の読み方。
この鎖の面白さは、銅価が高いうちは鎖の進捗が「銅の利益」に隠れて見えにくいこと。だからこそセグメント別の実数(半導体材料の営業利益)が、物語の本体の唯一の計器になる——確認の場は四半期決算(引け後開示)とLME銅価格です。
その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く
短期の上げ下げの土台にある「前提」です。この前提が生きている限り会社の強さは続き、崩れたら話が変わります。
PER=株価が「1年分の利益」の何倍まで買われているか。数字が大きいほど、期待が多く乗っている状態です(その時点で公表されていた会社予想の1株利益で計算)。
計算:その日の終値 ÷ その時点で公表済みの会社予想1株利益。開示は一貫して引け後(15:30〜16:30)のため、翌営業日から分母に反映。上場後最初の通期予想(2025/5/9開示)からの系列。
※上のカード「いま PER 30.5倍」は修正前の会社予想EPS 125.97円で計算した自動集計値です。8/6に修正された会社予想EPS 155.80円で計算すると、8/10終値3,845円は24.7倍になります。
読み方 ── 上場1年目のPERは13.1倍→高値時58倍→いま24.7倍と大きく振れてきました。EPS予想が1年で2倍(62.47→125.97円)になり、8/6にはさらに155.80円へ引き上げられた一方、株価は9倍——つまりこの株の上げの大半は「EPSの成長」でなく「物差しの切り上がり」で、AI材料の物語が評価をどこまで引き上げるかの実験が続いている状態です。セグメント利益の66%を占める銅部門を資源会社の物差し(10倍前後)、34%の材料部門を成長株の物差し(25倍前後)で単純に加重すると、計算上は10倍台半ばにしかなりません。いまの24.7倍はそれを大きく上回る——つまり市場は現在の利益構成ではなく、半導体・情報通信の利益比率が上がっていく将来の構成転換を相当に先取りした評価です。だからこそ、半導体材料の増益が止まると物差しごと崩れやすい構造です。
いまの株価に織り込まれている前提
いまの3,845円(予想PER 24.7倍)は、「銅価が会社前提の586セント(7月以降580セント)前後を保ち、半導体材料の成長が続く」という二階建ての前提を織り込んだ値段です。InP増産・ひたちなか工場という成長投資への期待も一部乗っている。
崩れる合図──半導体材料セグメントの増益が止まる(1Qは144億円で前年同期85億円から増益)/銅価が会社前提(7月以降580セント)を明確に下回る状態の定着/製錬減産の収益影響が想定超。どれかが出たら、このページの見立ては見直しです。
売買の指示はしません。過去1年の値動きが「どの価格帯で折り返してきたか」を、機械的なルールで塗った地図です。決めるのは、この地図を見たあなたです。
この地図には2種類の帯があります。面の帯(塗り)=10日以上離れて3回以上、値動きが折り返した価格帯。青の斜線=下げ止まりの記録がある支持帯、橙の点=上値を抑えられた記録がある抵抗帯。枠の帯(囲み)=大きな値動きが始まった起点の値幅(青枠=上向き、橙枠=下向きの起点)。帯の位置は機械的なルールで引き、名前(支持帯・抵抗帯・上場来高値の帯など)は分かりやすさのための呼び名です——手で選んでいません。チャート上の①〜④は、下の説明と対応しています。各帯のPERは会社予想EPS 155.80円(2027年3月期・2026-08-06開示)で換算した参考値で、予想EPSが変わればPERの位置も動きます。
2026-05-11から5営業日で-29.2%の下げが始まった日の値幅(6.7ATR)|形成後、価格はまだ一度もこの帯に戻っていません(再訪なし)
接触3回:反落3・上抜け0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=03/11、05/25、07/15
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
接触4回:下げ止まり4・割れ0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=03/09、03/31、06/11、07/17
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
2025-12-18から5営業日で+12.3%の上げが始まった日の値幅(3.1ATR)|形成後、価格はまだ一度もこの帯に戻っていません(再訪なし)
2026-06-11から5営業日で+33.7%の上げが始まった日の値幅|その後の再訪2回:下げ止まり2・割れ0・未決着0|③の帯と大きく重なる(狭い方の帯幅の100%)=2つの別ルールが近い場所を指した帯
2026-07-29から5営業日で+30.6%の上げが始まった日の値幅|再訪なし|③の帯と大きく重なる(狭い方の帯幅の86%)=2つの別ルールが近い場所を指した帯
参考:PERの物差し(会社予想EPS 155.80円=2027年3月期予想・2026-08-06開示)
11倍=1,714円/12倍=1,870円/24倍=3,739円/25倍=3,895円/36倍=5,609円/37倍=5,765円。現値3,845円≒PER24.7倍。
※PERは会社予想が変わればラインごと動きます。帯とPER水準が重なるのは結果であって、どちらかが根拠というわけではありません。
⚠ 過去に折り返した帯・値動きの起点の帯は約束ではありません。支持帯を終値で2日連続下回った場合は、その帯の下げ止まり記録が崩れたものとして、次の開示と市場全体の地合いを確認します。帯のルール=面の帯:10日以上離れた接触3回以上・幅は接触価格±0.25ATR/枠の帯:直前5日の終値最安(最高)の日から5営業日以内に3.0ATR以上動いた日の値幅。この帯は毎週、同じルールで機械的に引き直します。
下値の目安・窓・移動平均線をチャートに示しました。
↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。
信用残の1年
信用買い残(あとで売る予約)/信用売り残(あとで買い戻す予約)の推移
左目盛:万株(線)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。
まとめ ── 7/30のザラ場3,218円でいったん下げ止まり、7/31に+13.7%・8/5に4,350円まで戻したあと、決算をはさんで3,800円台へ。8/10終値3,845円は25日線3,822円のわずかに上。次は銅価の推移と11月中旬の2Q決算。全体の結論は最終章「総合判断」へ。
ここまでの整理 ── ファンダメンタルズ:3部門とも増益で健全。ただしセグメント利益の66%は銅価しだいで、AI物語の本体は34%/需給:上場2年目の不安定な需給+信用買いの偏り=振れ幅大/テクニカル:▼42%調整から下値2度(3,341円・3,361円)の支えを試す位置。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」を置いておきます。
このページの「なぜ」は、以下の適時開示と市場データをもとに、アルミナが整理・解釈したものです。
決算数値は適時開示の実数。銅価・セグメント記述は決算短信の記載に基づく記述です。