銘柄レポート🔖 毎週土曜更新

JX金属(5016)株価分析 非鉄金属

2025年3月上場の「銅と半導体材料」の大手——上場直後の安値650円から1年で9倍の5,828円まで買われた。いまは高値から▼34%の3,845円。買われた物語は「AI×半導体材料」だが、営業利益1,750億円の土台にあるセグメント利益(調整前・合計2,104億円)のうち66%は銅価が主役の基礎材料で、半導体材料は19%。
銅の感応度と半導体材料の成長力を、利益の中でどう分けて測るか——決算当日に頂点をつけて翌日▼16.7%という実例も含めて、この1ページで整理する。

JX金属の今と見どころ📊 株価データ:2026-08-14終値(毎日夜更新)
✍ 見立て・本文:2026-08-10執筆(週1+イベント時更新)
次回の本文更新:8/15(土)ごろ
30秒だけの人へ
  • ENEOSグループから2025年3月に上場した銅と半導体材料の大手。半導体用スパッタリングターゲット(世界高シェア)・圧延銅箔・チタン銅などの機能材料と、チリの銅鉱山権益・製錬(基礎材料)を併せ持つ。前期は売上8,846億円(+23.7%)・営業利益1,750億円(+55.6%)と、銅価の史上最高値(1/29・628セント)とAI需要の両追い風で急拡大。
  • 株価は上場直後の安値650円から1年で9倍の5,828円(5/11)へ。ただしこの頂点は決算当日の取引時間中につけたもので、引け後の中身(来期+12%予想)が期待に届かず翌日▼16.7%の暴落。いまは▼33%の3,886円。注意すべきは利益の構造——セグメント利益の66%は銅価が主役の基礎材料で、AIの物語の主戦場(半導体材料)は19%
  • 8/6の1Q決算は営業利益814億円(+175.5%)、通期予想も営業利益2,320億円・EPS 155.80円へ引き上げ。ただし会社資料が示す増益518億円の分解は、一過性の権益売却益+191億円/為替・銅価等+265億円/フォーカス事業の数量差+78億円ほか。株価の物差しは25日線(3,831円)・8/5の高値4,350円・7月の安値3,218円(7/30)。
いまの状態
業績売上8,846億(+23.7%)・営業益1,750億(+55.6%)・純益1,046億。セグメント営業益=基礎材料1,395億/半導体材料395億/情報通信材料315億。1Q(4-6月)は売上2,606億・営業益814億(+175.5%)でセグメント営業益=基礎材料568億/半導体材料144億/情報通信材料131億/その他▲29億。今期は8/6修正で営業益2,320億・EPS 155.80円予想(前提:銅586セント〔7月以降580〕・157円/ドル〔7〜9月160円・10月以降155円〕) 株価の流れ安値650円(25/4)→5/11高値5,828円→翌日▼16.7%→6/16ストップ高(InP増産報道)→7/17安値3,361円→7/30安値3,218円→7/31+13.7%→8/5高値4,350円→決算翌8/7▼6.2%の3,886円 需給信用買い残1,963万株(7/31時点・信用倍率25.1倍)=25日平均出来高の0.86日分。上場2年目で浮動株に短期資金の比率が高く、±4%超の日が頻発 割安度予想PER 24.9倍(8/6修正後の会社予想EPS 155.80円で算出)。「銅の会社」なら高く「半導体材料の会社」なら普通——どちらで測るかが評価の分かれ目。※ページ内の他のPER表示(価格の地図・PERの推移)は修正前のEPS 125.97円で算出しており、次回の本文更新で差し替えます
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📝 今週なにが変わったか 8/8更新

📌 今週の要点:週間は+2.3%(3,797円→3,886円)(同じ週のTOPIXは+1.8%)。ただし中身は決算をはさんで分かれた。8/5に+9.5%の4,350円(週間高値)まで買われたあと、8/6の引け後に1Q決算と通期の上方修正が出て、翌8/7は▼6.2%の3,886円。1Qの営業利益は814億円(前年同期比+175.5%)、通期予想は営業利益1,900億円→2,320億円・EPS 125.97円→155.80円に引き上げられた。同じ8/6の引け後に決算を出した三菱マテリアルは、8/7に+15.7%。

① 新しく分かったこと

➡️ 1Q営業利益814億円(+175.5%)、通期を営業益2,320億円・EPS 155.80円へ修正(8/6 15:30開示)
売上2,606億円(+36.2%)、営業利益814億円(前年同期296億円から+518億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益531億円(+181.3%・1株当たり56.80円)。通期予想は売上9,300億→10,250億円、営業利益1,900億→2,320億円(+420億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,140億→1,410億円、EPS 125.97円→155.80円。前提は銅520→586セント/lb(7月以降580セント)、為替150円→157円(7〜9月160円、10月以降155円)。
→ 解釈:金額は大きく増えた。ただし、何が利益を押し上げたのかは会社自身が資料で分けて示している(次項)。

➡️ 増益518億円の中身を、会社が5つに分けて示した
決算説明資料の営業損益差異分析では、1Qの増益518億円が「一過性 +191億円(カセロネス銅鉱山の一部権益の売却益+190億円)/為替・銅価等 +265億円フォーカス事業(半導体材料+情報通信材料)の数量差 +78億円/ベース事業の数量差 ▲32億円/事業共通費用等 +16億円」と分解されている。
→ 解釈:このページが最初から置いてきた問い——「銅の追い風と半導体材料の成長を分けて読む」——に、会社自身が数字で答えた形。金額の並びでは、権益の売却益と市況が上位に来る。なお数量差+78億円の内訳は半導体材料+54億円・情報通信材料+24億円で、情報通信材料の増販について会社が挙げているのはAIデータセンター向けとスマートフォン関連の両方。

➡️ 通期の上方修正420億円について、会社が挙げた主な要因
会社のハイライト資料が挙げているのは「環境要因(市況)+400億円/チリの天候不良による鉱山減産 ▲60億円/フォーカス事業の増販 +30億円/フォーカス事業の販売単価改善 +25億円」(主な要因の抜粋で、合計は+420億円と一致しない)。事業区分別の通期営業利益はフォーカス事業820億→1,000億円、ベース事業1,240億→1,470億円。会社が示す感応度は、為替5円の円安で営業利益+70億円、銅価+10セント/lbで+35億円(銅価はベース事業のみ)。
→ 解釈:会社が挙げた要因のうち金額が最も大きいのは市況。新しい通期予想は、銅586セント・157円という引き上げ後の前提の上に立っている。

➡️ 決算翌日、同じ市況の非鉄各社と反対方向に動いた
8/7は当社▼6.2%に対し、同じ8/6の引け後に決算と業績予想の修正を出した三菱マテリアルが+15.7%。週間では三菱マテリアル+23.0%、DOWA+11.0%、住友金属鉱山+9.9%に対し、当社は+2.3%。
→ 解釈:ここで確かめられるのは騰落の差までで、理由は各社の決算の中身を含めて分かれる。ただし、このページが置いてきた「銅の会社として測るか、半導体材料の会社として測るか」という問いを試す材料にはなる。次週以降、この差が縮むか広がるかを見る。

➡️ 銅原料の統合が4か月後ろにずれた(8/6・三菱マテリアル開示)
JX金属・三菱マテリアル・三井金属・丸紅・パンパシフィック・カッパー(PPC)の5社が8/6に変更契約書を締結。三菱マテリアルの銅精鉱の購入と電気銅等の販売に係る事業をPPCに集約する吸収分割の効力発生日を、2026年10月1日(予定)から2027年2月1日(予定)に変更。理由は「国内外の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間等を勘案」(三菱マテリアル開示)。当社からの開示はない。

➡️ 信用の買い残がさらに減った(7/31時点・今週公表分)
買い残 1,963万株(7/24時点2,106万株から▲143万株)、売り残 78.2万株(同82.7万株から▲4.5万株)、信用倍率 25.1倍(同25.5倍)。買い残は25日平均出来高(8/7時点2,276万株)の0.86日分。

② 見立ては変わったか → 🚩 要検討。要検討なのは物差しのほう——本文と「価格の地図」のPER換算は、すべて修正前の会社予想EPS 125.97円で作ってある。8/6にEPSが155.80円へ変わったため、帯ごとのPER表示や本文のPERの議論の数値が古いままになっている。次回の本文更新で差し替える。一方、利益構造の読み方——「利益の柱は銅、AIの物語の主戦場は半導体材料」——については、1Qの増益の分解(一過性+191億円/為替・銅価等+265億円/フォーカス事業の数量差+78億円)が会社の資料の側から同じ絵を示しており、今回の決算だけでは変更しない。

③ 🔒 前に見ていた材料、その後(8/1に書いたまま・書き換えていません)

(1) 8/6の1Q決算で、①半導体材料セグメントの営業利益が前年同期から増えているか ②通期予想(営業利益1,900億円・EPS 125.97円)に手が入るか → ①半導体材料の1Q営業利益は144億円。前年同期は85億円で、+59億円。売上は521億円(+34.2%)。会社の差異分析では為替+8億円・数量差+54億円・コスト差等▲3億円。②通期予想は8/6に修正され、営業利益2,320億円・EPS 155.80円になった
(2) 決算翌営業日8/7の終値が、決算前日8/5の終値から何%動くか(前回5/12は▼16.7%) → 8/5終値4,350円→8/7終値3,886円で▼10.7%。開示は8/6の15:30(引け後)で、8/6終値4,142円からは▼6.2%。なお8/6は開示前の取引時間中に▼4.8%動いている。
(3) 7/30のザラ場安値3,218円を下回る日が出るか/25日線(7/31時点3,891円)の上に終値で乗るか → 今週の安値は8/3の3,577円。3,218円を下回った日はない。25日線は8/4に終値3,971円(同日の25日線3,843円)で上に乗り、8/7終値3,886円も25日線3,831円の上にある。

今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週に事実と突き合わせます)

(1) 通期営業利益2,320億円に対する1Qの進捗は814億円=35.1%。区分別ではフォーカス事業が1,000億円に対し275億円=27.5%、ベース事業が1,470億円に対し568億円=38.6%。2Q決算(前年は11/11公表)で、フォーカス事業の進捗がどこまで来るか
(2) 8/5の高値4,350円を終値で上回る日が出るか/25日線(8/7時点3,831円)の上を終値で保てるか
(3) 銅市況が追い風の局面で、当社と非鉄各社の週間騰落の差がどう動くか(今週:当社+2.3%、三菱マテリアル+23.0%、DOWA+11.0%、住友金属鉱山+9.9%)
(4) 8/12(水)公表の信用取引残高(8/7時点)で、買い残1,963万株が増えるか減るか(8/11は山の日で休場)

④ 📅 次に見るもの——8/12(水)の信用取引残高(8/7時点)・銅のLME価格と国内の銅建値(会社の通期前提は7月以降580¢/lb、為替は7〜9月160円・10月以降155円)・2Q決算(前年は11/11公表)・銅原料統合の吸収分割契約書を承認する三菱マテリアルの取締役会(2026年11月予定・効力発生は2027年2月1日予定)・半導体材料の能力増強の稼働時期(磁性材ターゲット1.2倍・InP基板7〜10倍がいずれも2026年度下期から)。

前回(8/1)の記録

📌 今週の要点:週間では+0.7%(3,770円→3,797円)とほぼ横ばい(同じ週のTOPIXは▼0.2%)。ただし日々の値動きは荒く、7/28にAI・半導体関連が一斉に売られて▼9.5%、7/30にはザラ場で3,218円(2/18以来の水準)まで下げた。7/31は米SOX指数の急反発を受けて+13.7%・出来高3,734万株(今週最大)で戻し、行って来いで週を終えた。当社からの適時開示は今週ゼロ。1Q決算は8/6(木)

① 新しく分かったこと

➡️ 7/28、AI・半導体関連の一斉安に大きく巻き込まれた
TOPIXが▼2.5%の日に、当社は▼9.5%。同じ日の関連銘柄はレーザーテック▼14.1%、ルネサス▼10.5%、古河電工▼8.2%、住友金属鉱山▼5.4%。この日の下げの背景として報じられたのは、AI関連市場の調整が世界的な信用リスクになり得るとの格付け会社の指摘と、中国勢のDUV露光装置参入報道(いずれも報道ベース)。
→ 解釈:利益の柱は基礎材料(前期のセグメント利益の66%・銅の市況の影響が大きい)だが、日々の売買では半導体関連と近い動き方をしている。TOPIXとの下げ幅の差は、その見方と整合する。

➡️ 7/31の+13.7%も、きっかけは当社の開示ではなかった
前日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が8.19%高。半導体製造装置の東京エレクトロンが上期予想を上方修正したことも重なり、半導体関連に買い戻しが広がった(報道ベース)。当社自身の開示はこの週ゼロ。
→ 解釈:今週の±10%級の値動きが起きた日に、当社発の新しい情報は出ていない。業績の中身を確かめられる最初の機会は8/6の1Qになる。

➡️ 信用の買い残が減り、倍率が下がった(7/24時点・今週公表分)
買い残 2,106万株(7/17時点2,225万株から▼119万株)、売り残 82.7万株(同63.6万株から+19万株)、信用倍率 25.5倍(同35.0倍)。買い残は25日平均出来高(7/24時点2,888万株)の0.7日分。
→ 解釈:7/17時点から7/24時点にかけて、買い方の残高が減り売り方が増えた。ただ倍率25倍は、依然として買い方に大きく偏った状態。

➡️ 国内の銅建値は今週も引き上げられた
7/28付で国内の銅建値が4万円引き上げられ236万円(日本経済新聞・日刊産業新聞)。7/27時点は232万円。
→ 解釈:利益の柱である基礎材料の市況環境と、7/28〜7/30の株価の下げは、同じ方向を向いていなかった。

② 見立ては変わったか → 🟢 変更なし。今週動いたのはセクター全体の需給で、会社の中身に関する新しい開示はゼロ。見立てを点検できる会社発の材料は、いまのところ8/6の1Qが最初になる。

③ 🔒 前に見ていた材料、その後(7/26に書いたまま・書き換えていません)

(a) 8/6の1Q決算で半導体材料セグメントの増益が続いているか・通期予想(EPS 125.97円)の修正方向 → 8/6はまだ先。予定日に変更は確認されていない。
(b) 押し安値3,361円(7/17)を終値で維持できるか → 7/29終値3,331円・7/30終値3,340円で、この水準を下回った。ザラ場安値は7/30の3,218円で、2/18以来の水準。7/31終値は3,797円。
(c) 4,000円台を出来高を伴って回復できるか → 週間高値は3,930円(7/31)。4,000円台には届いていない。出来高は7/31の3,734万株が今週最大だった。

今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週に事実と突き合わせます)

(1) 8/6の1Q決算で、①半導体材料セグメントの営業利益が前年同期から増えているか ②通期予想(営業利益1,900億円・EPS 125.97円)に手が入るか
(2) 決算翌営業日8/7の終値が、決算前日8/5の終値から何%動くか(前回5/12は▼16.7%)
(3) 7/30のザラ場安値3,218円を下回る日が出るか/25日線(7/31時点3,891円)の上に終値で乗るか

④ 📅 次に見るもの——8/6(木)1Q決算(開示は引け後の見込み=反応は8/7)と決算説明資料のセグメント別営業利益・銅相場(LME・国内建値。会社の通期前提は銅520¢/lb、為替150円/ドル)・米SOX指数と海外テック決算の流れ。

📅 これからの予定 — JX金属(5016)に関連するもの

未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。

7/30(木)★FOMC(米金融政策) 結果発表市場全体
日本時間 3:00 結果発表・3:30 議長会見。ドル円と銅価(利下げ観測=銅高要因)の両方に効く
東京が反応する日: 7/30(木)
7/30(木)★日銀 金融政策決定会合市場全体
結果は7/31昼ごろ・総裁会見15:30。円高は輸出採算の逆風(前提150円/ドル)
東京が反応する日: 7/31(金)
8/6(木)JX金属(5016) 1Q決算発表自社
会社IRカレンダー記載の確定日。前年は15:30(引け後)開示=反応は翌営業日から。昨年は初回から通期上方修正を出した
8/7(金)★米雇用統計(7月分)市場全体
日本時間 21:30。米景気=銅需要の土台
東京が反応する日: 8/10(月)
随時銅のLME価格・米国の銅関税報道市況シグナル
会社前提は通期平均520セント。1月に史上最高値628セントの前歴。セグメント利益の66%を占める基礎材料の生命線
速報直近の動き — JX金属(5016)に関連するかもしれないニュース
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株価と出来事(過去75営業日・調整後終値) 2026-04-24 → 08-14

丸い番号をタップすると、その出来事の「なぜ」に飛びます。

IR(会社発表) 業界・市場ニュース 思惑・材料ニュース 時系列の補足
出来事のくわしい一覧(7件・タップで開く)

出典:株価・信用データはマーケットデータ、市場のできごとは適時開示ほか公開情報。金額は調整後終値。チャート:TradingView Lightweight Charts™

終値
3,785円
2026-08-14(前日比▼2.0%・TOPIX騰落率との差▼2.5pt)
上場来高値からの下落
▼35.1%
高値5,828円(2026/05/11・取引時間中)から
直近2日の値動き
8/13▼1.0%8/14▼2.0%
直近2営業日の前日比
信用倍率
28.9倍
買い残1,969万株/売り残68万株(8/7公表・週次)

3つの視点で見る(2026-08-10時点)

ファンダメンタルズ

営業利益1,750億円(+55.6%)の内訳は、基礎材料1,395億(銅価の追い風)・半導体材料395億・情報通信材料315億。セグメント利益(調整前・合計2,104億円)の66%は銅価しだいの部分で、AIの物語の主戦場は合わせて34%——株価のテーマと利益の主役がずれている。EPS予想は62.47→125.97円と1年で2倍に修正の連打が続き、8/6の1Q決算でさらに155.80円へ引き上げられた。その相当部分は銅価が作っている(LME銅は2026/1/29に628セント、2026/5/13に639セントの史上最高値)。今期の会社前提は銅586セント(7月以降580セント)・157円/ドル(7〜9月160円・10月以降155円)で、5/11時点の520セント・150円/ドルから引き上げられている。

需給

信用買い残1,963万株(7/31時点)は25日平均出来高の0.86日分・信用倍率25.1倍。上場2年目で需給がまだ落ち着いておらず、ストップ高(6/16)と▼16.7%(5/12)が同じ四半期に起きるほど短期資金の出入りが激しい。自己株式の公開買付け(6月実施)などENEOSグループとの資本関係の整理も需給イベントとして続く。

テクニカル

5/11高値5,828円→7/30のザラ場安値3,218円(▼45%)の調整を経て、3,200〜4,400円の荒い往来。いまの3,845円は25日線(3,822円)の+0.6%上。確認は ①7/30の安値3,218円を守るか ②8/5の高値4,350円の回復 ③11月中旬の2Q決算 で。

※「上がる/下がる」の断定はしません。いまの状態の要約と、確認すべき条件です。詳しくは以下の各章で。

1

なぜ、上場1年で9倍になり、▼34%沈んだのか

650円→5,828円→3,845円という新規上場株らしからぬ振れ幅は、「銅」と「AI」という2つの別の物語が同じ株に乗っていることから来ています。層ごとに分解します。表はいちばん上が根っこ(土台)で、下へ行くほど新しい話になります。

土台銅と材料の複合体

ENEOSから独立上場した「銅の川上から半導体の川下まで」 構造的な地位

  • 2025年3月19日、ENEOSホールディングスからの売出しで東証プライムに上場。チリの銅鉱山権益・製錬(基礎材料)と、半導体用スパッタリングターゲット・圧延銅箔・チタン銅(機能材料)を併せ持つ
  • スパッタリングターゲット(半導体の配線膜の原料)は世界高シェア。AI半導体の生産が増えるほど使われる消耗材
  • 上場直後は関税ショックに巻き込まれ、2025年4月7日に安値650円——ここが全ての起点になった
きっかけ銅の史上最高値

銅438→628セント——利益の最大部門に商品市況の追い風 営業益+55.6%

  • 銅のLME価格は期初438セントから上昇を続け、2026年1月29日に史上最高値628セント(期平均491・前期比+66セント。史上最高値はその後2026年5月13日に639セントへ更新された)。米国の銅関税を巡る思惑・供給不安・投機資金の流入が重なった(短信明記)
  • この追い風を最も受けたのが基礎材料セグメント——営業利益1,395億円(前期比+649億円)はセグメント利益合計の66%
  • EPS予想は62.47→75.49→85.22→100.35円と四半期ごとに上方修正。修正の連打の主因は銅価だった
二の矢AI材料の物語

ひたちなか新工場・InP「10倍増産」——半導体材料の成長物語 ストップ高の燃料

  • 2026年3月、先端材料の中核拠点ひたちなか工場を開業。HBM等の先端メモリ・ロジック向けスパッタリングターゲットの供給力を強化(短信明記)
  • 6/16には光通信用のリン化インジウム(InP)基板に約1,200億円を投じ、生産能力を最大10倍へ引き上げると報じられ、ストップ高+18.6%。3営業日で+42%
  • AIサーバ用チタン銅・圧延銅箔も採用拡大——「銅の会社」が「AI材料の会社」として語り直されたのが株価9倍の後半戦
増幅期待の暴走と反動

決算当日の取引時間中に頂点→翌日▼16.7% ▼42%の調整

  • 5/11、決算開示(16:10・引け後)を待たずに日中+5.6%まで買われ、取引時間中に上場来高値5,828円。ところが中身の来期予想は+12%——銅前提を保守的(520セント)に置いた予想は、期待に届かなかった
  • 翌5/12は▼16.7%(出来高6,270万株)の暴落。1週間で高値から▼35%まで下げた
  • 6月のストップ高ラリーも6/23▼11.3%で反転。期待で買われた分だけ、反動も大きい——上場2年目の浮動株構造がこの振れ幅を増幅している
たしかめ固有か地合いか

「銅の日」と「AIの日」を分けて読む 2つの温度計

  • この株が動く日は2種類ある——銅価・関税の日(4/8+13.6%は銅関税の巻き戻し)と、AI材料の日(6/16のInP報道)。どちらの物語が動いたかで意味が全く違う
  • 市場全体の急落日(6/23・7/17)には▼7〜11%と人一倍反応する——高値警戒と浮動株の軽さの合わせ技
  • 御三家(フジクラ・古河・住友電工)とは「非鉄・AI」の物色で連動しやすいが、利益構造は銅市況への依存が最も深い点が違い
いまの位置
9倍の上げは①銅の史上最高値 ②AI材料の成長物語 ③上場2年目の軽い浮動株の三段重ねでした。いまの3,845円(PER 24.7倍)は、決算失望と全体調整で期待の上澄みが剥げた後の値段。銅価が主役のセグメント利益66%と、成長物語の本体34%を分けて測る——その分け方に、8/6の1Qで会社自身が数字で答えました。四半期の営業利益は814億円で、会社の差異分析が示す増益518億円の内訳は一過性の権益売却益+191億円/為替・銅価等+265億円/フォーカス事業(半導体材料+情報通信材料)の数量差+78億円。半導体材料セグメントの営業利益は144億円(前年同期85億円)で増益は続きましたが、増益額の並びでは一過性要因と市況が上位に来ています。次の点検は11月中旬の2Q決算です
順番に注意 — この銘柄は「決算は引け後・利益は二階建て」

① 開示は15:30〜16:30、反応は翌朝から
決算は引け後開示が定例です。5/11の悲劇——日中に期待で高値をつけ、引け後の中身で翌日暴落——は、この時間差が生んだもの。決算当日の日中の上げは「まだ何も確定していない」ことを覚えておくべき銘柄です。

② 上方修正の「中身」を必ず分解する
EPS予想が1年で2倍になった主因は銅価です。同じ上方修正でも、銅価由来(市況・一過性寄り)か、半導体材料の増販由来(構造・持続性)かで価値が違う。セグメント別営業利益まで見て初めてこの株は読めます。

③ 銅の前提(586セント)との差を見る
会社予想は銅586セント(7月以降580セント)/157円ドル(7〜9月160円・10月以降155円)が前提です(8/6修正)。足元の銅価がこれより上なら上振れ余地、下なら未達リスク——LME価格は決算を待たずに読める主要な先行指標です。ただし会社前提は通期平均であり、権益銅の販売時期・為替・製錬の買鉱条件悪化(減産検討・短信明記)・税効果などの一過性要因が間に挟まるため、スポット価格だけで業績は決まりません。

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会社は大丈夫なのか(決算と、その土台)

短期の値動きから離れて、会社そのものを見ます。JX金属は半導体材料(スパッタリングターゲット等)・情報通信材料(圧延銅箔・チタン銅・タツタ電線)・基礎材料(銅鉱山権益・製錬・リサイクル)の3セグメント。東証プライム上場・3月決算(IFRS)。数字の出どころは決算短信の実数です。

売上高
8,846億
前期比+23.7%
2026年3月期実績。銅価上昇と主力製品の増販
営業利益
1,750億
+55.6%
今期は2,320億(+32.6%)を会社が予想(8/6修正)
純利益
1,046億
+82.9%
親会社帰属分。非支配持分241億が別にある
EPS(1株利益)
112.94円
→ 予想 155.80円
8/6に125.97円から上方修正(前期比+38%)・配当は下限20円(自己株取得優先)

利益はどこから来ているか——3部門の内訳

  • 基礎材料売上4,079億(+33%)・営業益1,395億(+649億) ── チリ銅鉱山(MLCC等)の権益・製錬・リサイクル。セグメント利益の66%。最大の追い風は銅価。ただしカセロネス(チリ銅鉱山)の繰延税金資産計上=税効果+190億円という一過性の持分法利益を含み、製錬は買鉱条件の悪化で減産検討(短信明記)
  • 半導体材料売上1,772億(+20%)・営業益395億(+128億) ── スパッタリングターゲット世界高シェア。AIの物語の本丸だが利益の19%。ひたちなか新工場で供給力強化へ
  • 情報通信材料売上3,187億(+20%)・営業益315億(+64億) ── 圧延銅箔・チタン銅(AIサーバ採用拡大)・タツタ電線。スマホ回復も追い風

読み方 ── 成長物語(半導体・情報通信)は合計710億円=利益の34%で、3部門とも増益という点は健全。ただし増益の最大部分は基礎材料の+649億円(3部門合計+841億円に対し、全社調整等の悪化で連結の増益は625億円)。しかもその中身は銅価だけでなく、カセロネスの税効果+190億円(来期は反転▲190億円の計画・決算説明資料)という一過性要因を含む。今期の営業益計画は8/6に1,900億円→2,320億円へ引き上げられ、会社は事業区分別にフォーカス事業820→1,000億円・ベース事業1,240→1,470億円としています(決算説明資料)。会社が挙げた修正要因は環境要因(市況)+400億円/チリの天候不良による鉱山減産▲60億円/フォーカス事業の増販+30億円・販売単価改善+25億円で、金額が最も大きいのは市況です。この2,320億円を、銅前提586セントとAI材料の増販のどちらでどれだけ稼ぐ計画かを、四半期ごとに分解して見るのがこの株の読み方。

知っておきたい3つのこと

  • 1ENEOSとの資本関係の整理が続く
    上場はENEOSの売出しによるもので、2026年6月には自己株式の公開買付け(5,730万株・最大2,500億円)を実施し、その資金はゼロクーポンの転換社債(CB)2,500億円で調達した。転換で交付される株式数は取得株数を下回る設計でEPSは向上見込み(会社説明・転換価額の調整で変わる余地あり)だが、将来のCB転換による希薄化の芽は残る。株主還元方針も「配当性向25%・下限20円、ただし自己株取得を優先」へ変更。需給・EPS・株式数を同時に動かす資本政策イベントが当面続く。
  • 2財務は健全・投資は拡大期
    前期末の自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)48.3%は、1Q末(6/30)に38.5%へ下がりました。自己株式の公開買付けの決済が6/30時点で終わっておらず、購入義務を負債に計上して資本を減らす処理をしたためです(決済は7/9に1,949億円で完了・短信注記)。ネット有利子負債は2,176億円(前期末比▲403億円)。営業CF 1,075億円(前期)に対し設備投資が膨らむ局面(ひたちなか・InP増産1,200億円報道)で、「稼いだ分を成長に回す」段階。配当利回りより成長投資で読む株。
  • 3注意点
    銅価の反落——セグメント利益の66%が市況部門。前提586セント(7月以降580セント)を下回る局面は未達リスク ②製錬の採算悪化——買鉱条件の著しい悪化で減産検討中(短信明記) ③円高——前提157円/ドル(7〜9月160円・10月以降155円) ④上場2年目で値動きが荒く、決算またぎのリスクが大きい(5/12▼16.7%の実例)。

この強さを1本の鎖にすると(成立を確認する順番)

AI半導体の増産(外部環境) ターゲット・銅箔・チタン銅の増販(四半期で確認) 半導体・情報通信の利益比率の上昇(いま34%) 「銅の会社」から「AI材料の会社」への評価の切り替え PER 24.7倍の物差しの再定義

この鎖の面白さは、銅価が高いうちは鎖の進捗が「銅の利益」に隠れて見えにくいこと。だからこそセグメント別の実数(半導体材料の営業利益)が、物語の本体の唯一の計器になる——確認の場は四半期決算(引け後開示)とLME銅価格です。

その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く

短期の上げ下げの土台にある「前提」です。この前提が生きている限り会社の強さは続き、崩れたら話が変わります

成立条件と崩壊条件
この会社の強さが続くために必要な前提と、崩れる合図
前提 1銅価の水準

銅のLME価格が会社前提(586セント・7月以降580セント)近辺以上で推移する

  • セグメント利益の66%(基礎材料)の生命線。1Q(4〜6月)の期中平均は604セント・期末605セントで、5/13には史上最高値639セントをつけた(短信明記)。会社は8/6にこの前提を520→586セントへ引き上げており、前提が上がった分だけ未達の線も上がっている
  • 崩れるサイン:LME銅価が会社前提(7月以降580セント)を明確に下回る状態の定着/中国需要の減速/米銅関税の需要破壊
前提 2AI材料の増販

スパッタリングターゲット・チタン銅・InPの需要拡大が続く

  • 成長物語の本体。ひたちなか工場・InP増産投資はこの前提への賭け
  • 崩れるサイン:半導体材料セグメントの増益が止まる/AI投資減速で先端ロジック・HBMの生産調整/増産投資の回収遅れ
前提 3製錬の持ちこたえ

買鉱条件の悪化を減産・効率化で吸収できる

  • 製錬(銅精鉱を地金にする工程)の採算は世界的に悪化中で、会社も減産検討を明言。基礎材料の内側のリスク
  • 崩れるサイン:減産の実施と収益悪化の顕在化/買鉱条件のさらなる悪化
遠い脅威評価軸の宙づり

「銅の会社」と「AI材料の会社」、どちらの物差しに落ち着くか

  • 資源会社ならPER10倍前後、半導体材料の専業なら20〜30倍。現在の利益構成(66:34)で単純に加重すれば10倍台半ばの計算だが、実際の24.7倍はそれよりかなり上——市場はすでに将来の構成転換をかなり先取りしている。半導体・情報通信の利益比率(いま34%)が実際に上がり続けるかが、この評価の生命線
  • 逆に銅価が崩れてセグメント利益の66%が痩せれば、物差しの議論の前に分母(EPS)が縮む——二階建ての両方を見続けるしかない銘柄
3

いまの株価は割高か、割安か(二階建ての値段)

PER=株価が「1年分の利益」の何倍まで買われているか。数字が大きいほど、期待が多く乗っている状態です(その時点で公表されていた会社予想の1株利益で計算)。

PERの推移(上場後の予想開示以降・日次) 2025-05 → 2026-08-14

計算:その日の終値 ÷ その時点で公表済みの会社予想1株利益。開示は一貫して引け後(15:30〜16:30)のため、翌営業日から分母に反映。上場後最初の通期予想(2025/5/9開示)からの系列。

いま
PER 24.3倍
2026-08-14(終値ベース・会社予想EPS 155.80円)
上場以降の中央値
26.4倍
およそ12〜57倍のレンジで推移
参考:評価軸の両端
10倍/25倍
資源/半導体材料の物差し。66:34で単純加重すると10倍台半ば——24.7倍はその上

※上のカード「いま PER 30.5倍」は修正前の会社予想EPS 125.97円で計算した自動集計値です。8/6に修正された会社予想EPS 155.80円で計算すると、8/10終値3,845円は24.7倍になります。
読み方 ── 上場1年目のPERは13.1倍→高値時58倍→いま24.7倍と大きく振れてきました。EPS予想が1年で2倍(62.47→125.97円)になり、8/6にはさらに155.80円へ引き上げられた一方、株価は9倍——つまりこの株の上げの大半は「EPSの成長」でなく「物差しの切り上がり」で、AI材料の物語が評価をどこまで引き上げるかの実験が続いている状態です。セグメント利益の66%を占める銅部門を資源会社の物差し(10倍前後)、34%の材料部門を成長株の物差し(25倍前後)で単純に加重すると、計算上は10倍台半ばにしかなりません。いまの24.7倍はそれを大きく上回る——つまり市場は現在の利益構成ではなく、半導体・情報通信の利益比率が上がっていく将来の構成転換を相当に先取りした評価です。だからこそ、半導体材料の増益が止まると物差しごと崩れやすい構造です。

いまの株価に織り込まれている前提

いまの3,845円(予想PER 24.7倍)は、「銅価が会社前提の586セント(7月以降580セント)前後を保ち、半導体材料の成長が続く」という二階建ての前提を織り込んだ値段です。InP増産・ひたちなか工場という成長投資への期待も一部乗っている。

崩れる合図──半導体材料セグメントの増益が止まる(1Qは144億円で前年同期85億円から増益)/銅価が会社前提(7月以降580セント)を明確に下回る状態の定着/製錬減産の収益影響が想定超。どれかが出たら、このページの見立ては見直しです。

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価格の地図——過去1年、どの値段で折り返してきたか

売買の指示はしません。過去1年の値動きが「どの価格帯で折り返してきたか」を、機械的なルールで塗った地図です。決めるのは、この地図を見たあなたです。

価格の地図(直近1年・調整後終値) 2025-07-29 → 2026-08-10

この地図には2種類の帯があります。面の帯(塗り)=10日以上離れて3回以上、値動きが折り返した価格帯。青の斜線=下げ止まりの記録がある支持帯、橙の点=上値を抑えられた記録がある抵抗帯枠の帯(囲み)=大きな値動きが始まった起点の値幅(青枠=上向き、橙枠=下向きの起点)。帯の位置は機械的なルールで引き、名前(支持帯・抵抗帯・上場来高値の帯など)は分かりやすさのための呼び名です——手で選んでいません。チャート上の①〜④は、下の説明と対応しています。各帯のPERは会社予想EPS 155.80円(2027年3月期・2026-08-06開示)で換算した参考値で、予想EPSが変わればPERの位置も動きます。

① 上場来高値の帯=一度も超えていない上値の抵抗帯 5,426〜5,828円(PER34.8〜37.4倍)

2026-05-11から5営業日で-29.2%の下げが始まった日の値幅(6.7ATR)|形成後、価格はまだ一度もこの帯に戻っていません(再訪なし)

② 抵抗帯 4,074〜4,472円(3月〜7月に3回反落・PER26.1〜28.7倍)

接触3回:反落3・上抜け0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=03/11、05/25、07/15

この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い

③ 支持帯 3,164〜3,555円(3月〜7月に4回下げ止まり・PER20.3〜22.8倍)

接触4回:下げ止まり4・割れ0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=03/09、03/31、06/11、07/17

この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い

④ 25年12月の大きな上げの起点の帯 1,664〜1,714円(PER10.7〜11.0倍)

2025-12-18から5営業日で+12.3%の上げが始まった日の値幅(3.1ATR)|形成後、価格はまだ一度もこの帯に戻っていません(再訪なし)

(③に重なる枠帯)26年6月の大きな上げの起点 3,238〜3,425円

2026-06-11から5営業日で+33.7%の上げが始まった日の値幅|その後の再訪2回:下げ止まり2・割れ0・未決着0|③の帯と大きく重なる(狭い方の帯幅の100%)=2つの別ルールが近い場所を指した帯

(③に重なる枠帯)26年7月の大きな上げの起点 3,242〜3,607円

2026-07-29から5営業日で+30.6%の上げが始まった日の値幅|再訪なし|③の帯と大きく重なる(狭い方の帯幅の86%)=2つの別ルールが近い場所を指した帯

参考:PERの物差し(会社予想EPS 155.80円=2027年3月期予想・2026-08-06開示)

11倍=1,714円/12倍=1,870円/24倍=3,739円/25倍=3,895円/36倍=5,609円/37倍=5,765円。現値3,845円≒PER24.7倍。

※PERは会社予想が変わればラインごと動きます。帯とPER水準が重なるのは結果であって、どちらかが根拠というわけではありません。

⚠ 過去に折り返した帯・値動きの起点の帯は約束ではありません。支持帯を終値で2日連続下回った場合は、その帯の下げ止まり記録が崩れたものとして、次の開示と市場全体の地合いを確認します。帯のルール=面の帯:10日以上離れた接触3回以上・幅は接触価格±0.25ATR/枠の帯:直前5日の終値最安(最高)の日から5営業日以内に3.0ATR以上動いた日の値幅。この帯は毎週、同じルールで機械的に引き直します。

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テクニカルと需給の現在地

下値の目安・窓・移動平均線をチャートに示しました。

下値の目安とサイン(日足75本) 〜2026-08-14

↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。

━ 青い線=25日線(3,822円)荒い往来の中心線。いまの3,845円は線の+0.6%上
━ 赤い点線=押し安値(3,361円・7/17のザラ場安値)7月の急落の底。7/30にはザラ場で3,218円まで下げた。ここを終値で割ると調整の第2段階入り(強い警戒)
上の節① 4,000円前後(7月前半の攻防帯)7/2〜7/15に何度も往来した帯。出来高を伴って超えると戻りの形が見えてくる
上の節② 4,700〜5,400円(6月の急騰帯)→ 5,828円(5/11高値)ストップ高ラリーで商いを集めた帯は戻り売りの在庫が厚い
下の節 3,341円(6/10安値)7/17安値3,361円と並ぶ2度目の下値。ここも割れると6月安値圏の支えを失う
200日線は3,274円上場2年目で急騰した分、まだ株価のかなり下。長期の物差しはフル指標版

信用残の1年

信用買い残(あとで売る予約)/信用売り残(あとで買い戻す予約)の推移

信用残(週次)と売買代金 2025-07 → 2026-08-14

左目盛:万株(線)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。

━ 赤い線=信用買い残(あとで売る予約)いま1,963万株(7/31時点・8/5公表)=25日平均出来高の0.86日分。急騰急落の過程で積み上がった短期資金の在庫
━ 青い線=信用売り残(あとで買い戻す予約)78万株。売り残が極端に少ないため倍率は25.1倍と大きく出るが、買い残の絶対量は25日平均出来高の0.86日分——偏りは強いものの、直ちに消化不能な規模ではない
棒グラフ=売買代金1日平均約1,036億円(直近60日)。時価総額 約3.7兆円に対して回転が速い=短期資金の比率が高い

まとめ ── 7/30のザラ場3,218円でいったん下げ止まり、7/31に+13.7%・8/5に4,350円まで戻したあと、決算をはさんで3,800円台へ。8/10終値3,845円は25日線3,822円のわずかに上。次は銅価の推移と11月中旬の2Q決算。全体の結論は最終章「総合判断」へ。

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総合判断と、今後の注目点

ここまでの整理 ── ファンダメンタルズ:3部門とも増益で健全。ただしセグメント利益の66%は銅価しだいで、AI物語の本体は34%/需給:上場2年目の不安定な需給+信用買いの偏り=振れ幅大/テクニカル:▼42%調整から下値2度(3,341円・3,361円)の支えを試す位置。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」を置いておきます。

✅ 反転・続伸が「本物」と確認できるサイン(上向き)

  • 11月中旬の2Q決算で、フォーカス事業(通期1,000億円計画に対し1Qは275億円=27.5%)の進捗が計画線に乗る
  • 8/5の高値4,350円を終値で上回る/4,000円台を出来高を伴って回復する
  • 銅のLME価格が586セント(会社前提の通期平均)を上回って推移——上振れ方向の追い風。会社が示す感応度は銅価+10セント/lbで営業利益+35億円、為替5円の円安で+70億円(決算説明資料)
  • InP増産・ひたちなか工場の進捗が具体化する(能力・受注の数字が出る)

⚠ 調整継続・警戒のサイン(下向き)

  • 7/30のザラ場安値3,218円・6/10安値3,341円の下値帯を割り込む
  • 銅価が会社前提(7月以降580セント)を明確に下回る状態の定着——セグメント利益の66%が痩せる方向
  • 半導体材料セグメントの増益が止まる——成長物語の本体の失速
  • 製錬減産の収益影響が想定を超える/買鉱条件のさらなる悪化
  • 決算またぎの急変動(5/12▼16.7%の前歴)——イベント前のポジション過熱に注意

📅 次に見るカレンダー

  • 8/12(水):信用取引残高(8/7時点)——買い残1,963万株が増えるか減るか
  • 毎日:銅のLME価格——会社前提586セント(通期平均・7月以降580セント)との差が主要な先行指標
  • 随時:米国の銅関税・ドル円(前提157円・7〜9月160円/10月以降155円)・ENEOSとの資本関係のニュース
  • 11月中旬:第2四半期決算(前年は11/11)——フォーカス事業の通期1,000億円計画に対する進捗の点検

🧾 ニュースの見立てと答え合わせ — JX金属(5016)

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出典・参考資料

このページの「なぜ」は、以下の適時開示と市場データをもとに、アルミナが整理・解釈したものです。

出典をすべて見る(タップで開く)

JX金属の適時開示(一次情報)

  • 2025/5/9 2025年3月期 決算短信(上場後初の本決算)——2026年3月期予想(EPS 62.47円)の出典
  • 2025/8/5〜2026/2/10 四半期決算短信——EPS 75.49→85.22→100.35円と修正を重ねた出典
  • 2026/5/11 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕——売上8,846億円(+23.7%)・営業利益1,750億円・セグメント別実数(半導体材料1,772億/395億・情報通信材料3,187億/315億・基礎材料4,079億/1,395億)・銅LME価格の推移(438→史上最高値628セント〔2026/1/29〕→期平均491セント)・ひたちなか工場開業・製錬減産検討・2027年3月期予想(売上9,300億・営業益1,900億・EPS 125.97円・前提:銅520セント/150円ドル)・株主還元方針変更(配当性向25%・下限20円・自己株取得優先)の出典
  • 2026/6/10〜6/26 自己株式の消却・自己株式の公開買付けの結果・株式交換端数処理に関するお知らせ——資本関係整理の出典
  • 2026/8/6 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕・通期業績予想の修正に関するお知らせ・2027年3月期第1四半期決算説明資料——1Q売上2,606億円(+36.2%)・営業利益814億円(+175.5%)・親会社の所有者に帰属する四半期利益531億円・セグメント別実数(半導体材料521億/144億・情報通信材料931億/131億・基礎材料1,237億/568億)・通期予想の修正(売上9,300億→1兆250億円・営業益1,900億→2,320億円・EPS 125.97→155.80円・前提は銅520→586セント〔7月以降580〕/為替150→157円〔7〜9月160円・10月以降155円〕)・事業区分別の通期営業利益(フォーカス事業820→1,000億円・ベース事業1,240→1,470億円)・1Q増益518億円の差異分析(一過性+191/為替・銅価等+265/フォーカス事業の数量差+78)・営業利益感応度(為替5円円安で+70億円・銅価+10セント/lbで+35億円)・銅LME価格(期中平均604セント・5/13に史上最高値639セント)・1Q末の親会社所有者帰属持分比率38.5%とネット有利子負債2,176億円・自己株式の公開買付けの決済完了(2026/7/9・1,949億円)の出典
  • 2026/7/23 ニュースリリース「韓国JX金属における半導体用スパッタリングターゲットの加工能力増強について」——約40億円・2025年度比約2倍・2027年度下期稼働の出典
  • JX金属 公式サイト(決算短信・説明資料の原本は公式サイトIRページから)

データの出典

  • 株価・出来高・売買代金・信用残・TOPIX:証券取引所が公表する市場データ・各社の決算資料をもとにアルミナが整備したデータベース(2025/3/19の上場以降。同コードの旧会社時代のデータは除外)
  • PER・移動平均・RSI等の指標:上記データからアルミナが算出(計算方法は各章に記載)
  • 6/16のInP基板増産(約1,200億円・最大10倍):市場報道(2026/6/16)
  • 「スパッタリングターゲット世界高シェア」:会社公表資料に基づく公知の事実

決算数値は適時開示の実数。銅価・セグメント記述は決算短信の記載に基づく記述です。

このページの約束:①嘘を書かない ②煽らない ③外れる条件(見直しのサイン)を必ず書く ④どこにも誘導しない。「上がる/下がる」は言い切らず、しくみ・事実・見直しの条件・見ておく場所だけをお伝えします。