銘柄レポート🔖 毎週土曜更新
純利益5兆円——ただしその中身は事業の稼ぎではなく、アーム・OpenAIなど投資先の「評価益」。だからこの会社はPERでは測れない。物差しはNAV(保有資産の時価から負債を引いた価値)=1株あたり7,029円。6/2の高値9,074円は3月末公表NAVとの単純比較で約3割上回る例外的な「プレミアム」で、7/31終値5,260円は▼25%の割引——例外的なプレミアムは解消したが、歴史的な常態(3〜6割引)と比べればまだ割引の浅い、楽観寄りの位置にある。
AI相場の感情がそのまま値段になる株を、どの物差しで読むか——この1ページで整理する。
📌 今週の要点:週間は5,260円→5,552円の+5.6%(TOPIXは+1.8%)。週の山は8/5の+14.0%(5,958円)で、8/6 15:30に出た1Q決算をはさんで8/6▼4.4%・8/7▼2.5%と続落し、上げ幅の一部を戻して引けた。決算の中身はIntel株の評価益で膨らみ、費用と金融損益で削られた四半期——そして焦点だった1株NAVとLTVは、決算短信そのものには書かれていなかった。
① 新しく分かったこと
➡️ 1Q(4〜6月)は純利益3,473億円・前年同期比▲17.7%(8/6 15:30開示)
売上高2兆196億円(+10.9%)、税引前利益5,892億円(前年同期比1,008億円減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益3,473億円(同745億円減)。会社は今期も業績予想を公表しておらず、短信には「未確定な要素が多く、連結業績を見通すことが困難なため、予想の公表を控えています」と書かれている。配当予想は年11.00円(中間5.50円・期末5.50円)で修正なし。
➡️ 投資利益を膨らませたのはIntel株、削ったのは費用と金融損益
四半期の投資利益は1兆8,594億円(前年同期4,869億円)。その内訳で最も大きいのがIntel株で、これ1銘柄の投資利益が1兆3,329億円。Intel株は3月末の1株44.13米ドルから6月末139.63米ドルになり、帳簿価額は1兆9,717億円(前期末比1兆3,582億円増)。
それでも親会社帰属の四半期利益が前年同期を下回ったのは、費用と金融損益がそろって膨らんだため——販売費及び一般管理費1兆2,869億円(前年同期比5,287億円増・主に株式報酬費用)、財務費用3,287億円(同1,634億円増)、為替差損1,461億円(同2,893億円悪化)、デリバティブ関連損失3,916億円(同6,204億円悪化)。
→ 四半期の利益が投資損益に大きく左右されることが、そのまま数字に出た四半期。投資利益が1兆円台で動く一方、費用と金融損益も1兆円規模で動いている。
➡️ OpenAIの評価額は前期末から動いていない(会社が明記)
短信は当第1四半期末のOpenAIについて、累計投資額446億米ドル・公正価値896億米ドル・累計投資利益450億米ドルとしたうえで、「評価額は前期末より変動なし」と明記している。SVF2の当第1四半期の説明にも「OpenAIに係る投資損益は計上なし」とある。SVF2が持つOpenAI株式の帳簿価額14兆5,492億円について、短信は「OpenAIへの100億米ドルの追加出資により前期末比1兆8,237億円の増加」と説明している(SVFの帳簿価額には、期末日の為替が前期末比1.6%円安になったことによる増加も含まれる)。7月には第2トランシェの100億米ドルも実行済みで、10月に予定する第3トランシェが完了すると累計出資額646億米ドル・持分比率約13%になる見込み、と書かれている。
→ 今回の投資利益を大きく動かしたのはIntel株のほうで、OpenAIは出資額が積み上がる一方、評価は据え置かれたまま。未上場ゆえに市場の値段がついていない、というこのページの論点はそのまま残っている。
➡️ 8月にOpenAI株式を活用した100億米ドルの借入(後発事象)
短信の重要な後発事象に、2026年8月にSVF2が保有するOpenAI株式を活用したローン契約を締結し、同月中に100億米ドルの借入を実行予定とある。あわせて、ABB Ltdのロボティクス事業の買収対価の一部に充てる17.5億米ドル相当のLBOファイナンス(ソフトバンクグループ㈱に対してノンリコース)も8月に組成。前回この欄で扱った900億円の国内社債も、短信に「2026年9月に満期を迎える国内普通社債の償還に充当予定」と改めて記載された。
6月末時点のソフトバンクグループ㈱(単体)の有利子負債は12兆2,320億円で前期末比848億円の減少。内訳は借入金3兆1,009億円(同8,598億円減)、社債8兆8,973億円(同7,269億円増)。
➡️ AIコンピューティング事業は増収、セグメント損失は2,008億円
Arm・Ampere・Graphcoreをまとめたこの事業の売上高は10億9,200万米ドル(米ドルベースで前年同期比+17.8%)。Armのロイヤルティー収入がクラウドAI・エッジAI・フィジカルAIの3分野いずれでも増えた。一方セグメント損失は2,008億円で、前年同期比1,684億円の悪化。理由は「次世代技術の開発に向けたエンジニア増員に伴う株式報酬費用を中心とした研究開発費の増加」と、2025年11月に子会社化したAmpereの高水準の研究開発費。
➡️ 値段の位置:NAV比の割引は▼25%→▼21%に縮まった
8/7終値5,552円は、1株NAV 7,029円(2026年3月末・会社公表)に対して▼21%。週間高値5,958円では▼15%、週間安値5,060円では▼28%。25日線は5,690円(前週5,788円)。6/2の上場来高値9,074円からは▼39%。
信用買い残は3,554万株(7/31時点)で、前週7/24の3,766万株から212万株の減少。信用倍率は9.77倍(前週10.65倍)。買い残は20日平均出来高(5,315万株)の0.7日分。
② 見立ては変わったか → 🟢 変更なし。物差しをNAVに置くという本文の見方は維持する。今回の決算は、その見方と同じ方向の内容だった——四半期の利益はIntel株の評価益で膨らみ、費用と金融損益で削られた。事業の稼ぎを追う読み方(PER)では中身が見えない、という本文の出発点はそのまま。
ただし物差しの鮮度には注記が要る。1株NAVとLTVは今回の決算短信に記載がなく、このページの7,029円は2026年3月末のまま据え置いている(詳細は③(a))。
③ 🔒 前に見ていた材料、その後(太字の条件は8/1に書いたまま・書き換えていません)
(a) 8/6(木)15:30開示の1Qで、1株NAV(3月末7,029円)とLTV(3月末17%)がどこに更新されるか。東証の通常取引での反応は8/7(金)から
→ 8/6 15:30に決算短信は開示されたが、短信本体に1株NAVとLTVの記載はなく、この2つは短信では確認できなかった。会社はこの2指標を同日の決算説明会と「決算データシート」で示す形をとっており、そちらは今回このページでは未確認(④に回す)。短信で確認できたのは投資資産の帳簿価額のほうで、SVFの投資は25兆6,350億円(前期末比2兆1,393億円増)、うちSVF2のOpenAI株式が14兆5,492億円、投資有価証券は5兆6,446億円(同1兆3,800億円増)、うちIntel株式が1兆9,717億円。資産合計65兆1,352億円、親会社の所有者に帰属する持分18兆4,215億円(持分比率28.3%・前期末29.0%)。このページの1株NAVは3月末の7,029円のまま据え置いた。株価の反応は8/7で、終値5,552円の▼2.5%。
(b) 7/30の安値4,500円(上場来高値9,074円の半値4,537円を下回った水準)を、終値ベースで下回る日が出るか
→ 今週の終値で最も低い日は8/4の5,228円、場中の安値は8/3の5,060円。4,500円を下回る日はなかった。
(c) 25日線5,788円を終値で上回る日が出るか
→ 8/5終値5,958円が、凍結した5,788円を上回った(同日の25日線は5,727円で、これも上回っている)。続く8/6は終値5,695円・8/7は終値5,552円で、いずれも5,788円を下回って引けている。
今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週に事実と突き合わせます)
・8月中に実行予定とされたSVF2のOpenAI株式を活用した100億米ドルの借入が、実行済みとして次の開示に出てくるか
・25日線(8/7時点5,690円)を終値で上回る日が出るか。週間高値5,958円を終値で上回る日が出るか
・信用買い残(7/31時点3,554万株・倍率9.77倍)が翌週も減るか
④ 📅 次に見るもの——会社の決算説明会資料・決算データシートでの1株NAVとLTVの更新値(8/6開催分)・傘下アームの株価と決算・Intelの株価(今回の投資利益1兆3,329億円の源。6月末は1株139.63米ドル)・8月下旬 NVIDIA決算・10月予定のOpenAI第3トランシェ(100億米ドル)・ABBロボティクス事業の買収完了。
📌 今週の要点:週間は5,500円→5,260円の▼4.4%(TOPIXは▼0.2%)。ただし中身は荒く、7/30には上場来高値9,074円の半値にあたる4,537円を下回る4,500円まで売られ、翌7/31は一時ストップ高(5,322円)まで買い戻されて5,260円で引けた。週の高値5,671円から安値4,500円までの下げ幅は▼20.7%。
① 新しく分かったこと
➡️ 900億円の社債は「AI投資の新規資金」ではなく借り換え(7/29 10:30開示)
第68回800億円(3年・年3.270%)と第69回100億円(5年・年3.886%)の計900億円。開示に書かれた資金使途は「2026年9月11日に償還期限を迎える国内社債の償還資金に充当予定」——新しくAI投資に向かう資金ではなく、既存社債の借り換え。格付はA(日本格付研究所)、機関投資家向けの国内一般募集。
→ 見どころは金額より利率。3年で年3.270%、5年で年3.886%という水準が、いまのこの会社の調達コストの現在地。
➡️ ストックオプションは6/24決議分の条件確定(7/30 17:00開示)
執行役員・従業員および子会社の役員 計278人に3,754個。新株予約権1個あたりの払込は462,000円(1株当たり4,620円)で、開示は「公正価格であり有利発行には該当しない」と明記。これは新株予約権そのものの価格で、株を買う値段(行使価額)とは別物。今回の開示は、6/24の取締役会ですでに決まっていた内容のうち未定だった条件が確定した、という種類のもの。
➡️ 値段の位置:NAV比の割引が▼22%→▼25%に開いた
7/31終値5,260円は、1株NAV 7,029円(2026年3月末・会社公表)に対して▼25%。週内安値4,500円では▼36%まで開いた。25日線は5,788円(前週6,169円)で、株価はこれを下回ったまま。6/2の上場来高値9,074円からは▼42%。
➡️ 今週の値動きは、AI関連株全体とおおむね同じ方向だった
7/29は世界的な半導体株売り(韓国KOSPIで2日連続サーキットブレーカーが発動したと報じられた日)のなかで▼6.9%、7/31は米ハイテク企業の決算を受けた買い戻しで韓国・台湾・日本が揃って急反発するなかで+13.8%。7/30の下げは傘下アーム株の下落が重しになったと市況記事が伝えている。
② 見立ては変わったか → 🟢 変更なし。物差しをNAVに置くという本文の見方は維持。割引が▼22%→▼25%に開いたのは、本文が示した「歴史的な常態(3〜6割引)に対してはまだ浅い」という位置づけの範囲内の動き。今週の2件の開示(社債・ストックオプション)も、その土台を動かす種類のものではない。
③ 🔒 前に見ていた材料、その後(7/24に書いたまま・書き換えていません)
(a) 8/6(木)の1Q決算でNAV・LTVの最新値と投資損益の方向
→ まだ来ていない。会社発表の確定日は8/6(木)のままで、15:30開示・16:30から説明会。東証の通常取引で反応が出るのは翌営業日8/7(金)から。
(b) 直近安値5,191円(7/17)を終値で維持できるか
→ 7/28終値5,095円でこの水準を下回った。その後も7/29 4,741円・7/30 4,622円と下げ、7/31終値5,260円で再び5,191円を上回っている。
(c) 6,500円台(7/10戻り高値6,556円)を出来高を伴って回復できるか
→ 週間高値は5,671円(7/27)。6,500円台には届いていない。
今週からの観察ポイント(あとから書き換えず、翌週に事実と突き合わせます)
・8/6(木)15:30開示の1Qで、1株NAV(3月末7,029円)とLTV(3月末17%)がどこに更新されるか。東証の通常取引での反応は8/7(金)から
・7/30の安値4,500円(上場来高値9,074円の半値4,537円を下回った水準)を、終値ベースで下回る日が出るか
・25日線5,788円を終値で上回る日が出るか
④ 📅 次に見るもの——8/6(木)15:30 1Q決算(反応は8/7(金)から)・傘下アームの株価と決算・OpenAI関連の続報(8/1報道のAI利用料引き下げ、IPOの帰趨)・8月下旬 NVIDIA決算。
未来のことで確定している数少ない事実=「いつ・何が出るか」。自社の予定だけでなく、市場全体の経済イベントもここに出ます。日付はすべて日本時間・日をタップすると詳細が表示されます。
丸い番号をタップすると、その出来事の「なぜ」に飛びます。
出典:株価・信用データはマーケットデータ、市場のできごとは適時開示ほか公開情報。金額は調整後終値。チャート:TradingView Lightweight Charts™
純利益5兆22億円は過去最高。ただし中身は投資の評価益で、2年前は赤字——利益の絶対額でこの株は読めない。物差しはNAV 40.1兆円(1株7,029円)とLTV 17%。保有資産48.26兆円の中核はアーム(約87%保有・上場株として毎日値段がつく)と、OpenAI(追加出資完了後は約13%・未上場で四半期ごとの評価)。財務規律(LTV平時25%未満)は守られている。ただし危うさの起点は「資産の評価」——資産価格の下落はLTV上昇・調達条件の悪化と連鎖する(借金と資産は同じ循環の表裏)。
売買代金は連日国内トップ級・信用買い残3,735万株(分割換算)。2025年末の1:4分割で個人が入りやすくなり、日本のAI相場の感情がこの1銘柄に集約される構造。ストップ高(5/21)と▼12.5%(6/26)が同じ月に起きる乱高下は、その裏返し。
3/23安値3,365円→6/2高値9,074円(2.7倍)→7/17安値5,191円(▼43%)という、日本の大型株では際立つ振れ幅。いまの5,500円は25日線(6,169円)の-10.8%下。確認は ①直近安値5,191円(7/17)を守るか ②6,500円台の回復 ③8/6(木)の1Q決算 で。
※「上がる/下がる」の断定はしません。いまの状態の要約と、確認すべき条件です。詳しくは以下の各章で。
3,365円→9,074円→5,191円。日本最大級の企業とは思えない値動きの正体は、「AI への期待」を値段に変換する装置としてのこの会社の構造にあります。層ごとに分解します。表はいちばん上が根っこ(土台)で、下へ行くほど新しい話になります。
① 開示は15:30、反応は翌朝から——ただし決算で動くとは限らない
決算は引け後開示ですが、純利益5兆円の決算翌日に▼4.0%、OpenAI報道の日にストップ高——この株を動かすのは決算の数字より「NAVの中身を変えるニュース」です。
② PER・増益率で判断しない
利益の大半が評価益なので、「PER6倍で割安」「増益4.3倍で絶好調」という読み方は両方とも間違いやすい。NAV 7,029円との距離(割引・プレミアム)と、LTV(17%)が物差しの中心です——ただしNAV自体も動く点は第3章で。
③ 保有資産の「上場・未上場」を分けて見る
アーム(上場)は毎日値段がつくのでNAVへの反映が速い。OpenAI(未上場)は四半期評価で、IPOが実現すれば「議論の余地のある評価」が「市場の値段」に変わる——上にも下にも、このイベントがNAVの最大の変数です。
短期の値動きから離れて、会社そのものを見ます。ソフトバンクグループは持株会社投資事業・ビジョン・ファンド・ソフトバンク(国内通信)・アームなどで構成される投資会社。東証プライム上場・3月決算(IFRS)。数字の出どころは決算短信と会社公表の決算説明資料です。
読み方 ── 5兆円の利益に「使えるお金が5兆円増えた」実感はない——大半は保有資産の値札の書き換えで、市場が逆回転すれば同じ理屈で巨額の損失も出る(実際に2022〜24年は赤字続きだった)。会社の健全性は利益でなくLTV 17%(借金が資産の2割以下)で確認するのが正しい。この規律が守られている限り、資産価格の急落でも会社そのものは倒れにくい構造。なお、OpenAI追加出資の資金は大型のつなぎ借入(ブリッジローン)で先行調達しており、長期資金への借り換え・資産売却の進み方と第3弾実行(10/1)次第で、LTVは3月末の17%から動き得る。
この鎖はすべての輪が「市場の評価」でできているのが特徴——アーム(半導体設計)や国内通信という実事業は持つが、株主が受け取る価値はそれらに市場が付ける値段を経由して形成される。だから強気相場では誰より速く上がり、弱気相場では誰より速く下がる。確認の場は四半期決算のNAV更新と、アーム株価・OpenAI関連報道です。
その数字の土台にある「前提」──これが生きている限り強さは続く
短期の上げ下げの土台にある「前提」です。この前提が生きている限り会社の強さは続き、崩れたら話が変わります。
普通の会社はPER(利益の何倍か)で測りますが、この会社の利益は投資の評価益で毎期大きく振れるため、PERは物差しになりません。代わりに使うのがNAV=保有資産の時価から負債を引いた価値。厳密な「解散価値」ではなく会社定義の税引前の時価純資産で、実際に売却する際の税金・コスト・流動性は反映しません(会社自身も「NAVは株価を示唆するものではない」と注記する指標です)。株価がNAVより安ければ割引、高ければプレミアムです。
読み方 ── この株の歴史では「NAVから3〜6割引」が長年の常態でした。それが2026年前半のAI相場で割引が急速に縮み、6/2の高値9,074円では3月末公表NAVを約29%上回る「プレミアム」に達した——投資会社の株が保有資産より高く買われるのは、「これから資産がもっと増える」という将来への前払いで、歴史的には例外的な状態です。そこから▼43%調整したいまの5,500円は、割引▼22%=歴史の中ではまだ割引が小さい方。つまり「安くなった」ように見えて、長期の物差しではまだ楽観側の値段です。
また、この割引は市場の気分だけで生じるものでもない——資産を売却する際の税負担、未上場資産の評価の不確実性、資本が割引解消(自社株買い)より新規投資へ向かい得る構造(経営が孫氏個人に大きく依存する点を含む)へのリスクプレミアムでもあり、割引がゼロへ収束する保証はない。
ただしNAVそのものが動く点がこの物差しの注意点——7,029円は3月末の値で、その後のアーム株価・為替・OpenAI追加出資と借入を反映していない。アーム株価とOpenAIの評価次第で上下します。株価とNAVの両方が動く「二重の振り子」を見るのがこの株の割高・割安の読み方です。
いまの株価に織り込まれている前提
いまの5,500円(NAV比▼22%)は、「AI資産の評価はおおむね維持されるが、6月のような熱狂はいったん終わった」という前提の値段です。OpenAIのIPO期待は一部残り、割引が歴史的常態(3〜6割引)まで開き切ってもいない中間地点。
崩れる合図──米アーム株の急落/OpenAIのIPO延期・評価切り下げ報道/8/6(木)の1Q決算でNAVの減少・LTVの上昇が示される。どれかが出たら、このページの見立ては見直しです。
売買の指示はしません。過去1年の値動きが「どの価格帯で折り返してきたか」を、機械的なルールで塗った地図です。決めるのは、この地図を見たあなたです。
この地図には2種類の帯があります。面の帯(塗り)=10日以上離れて3回以上、値動きが折り返した価格帯。青の斜線=下げ止まりの記録がある支持帯、橙の点=上値を抑えられた記録がある抵抗帯。支持と抵抗の両方の記録が同じ価格圏に重なった帯は売り買いが交錯した帯として1本にまとめています。枠の帯(囲み)=大きな値動きが始まった起点の値幅(青枠=上向き、橙枠=下向きの起点)。帯の位置は機械的なルールで引き、名前(支持帯・抵抗帯・上場来高値の帯など)は分かりやすさのための呼び名です——手で選んでいません。チャート上の①〜④は、下の説明と対応しています。各帯の換算は1株NAV 7,029円(2026年3月末・会社公表・自己株控除後5,699百万株基準)との比較の参考値で、NAVは保有資産の時価により動きます。
2026-05-20から5営業日で+55.6%の上げが始まった日の値幅(6.2ATR)|その後の再訪2回:下げ止まり1・割れ1・未決着0|②の帯と一部交差
支持側と抵抗側の記録が同じ価格圏に重なった帯(重なり率50%超のため1本に統合)。
支持ピボット3回(下げ止まり3・割れ0・未決着0|接触日=10/01、04/30、05/20)
抵抗ピボット3回(反落3・上抜け0・未決着0|接触日=12/08、01/06、02/12)
判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
接触3回:反落2・上抜け0・未決着1|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=08/19、12/22、01/30
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
接触5回:下げ止まり5・割れ0・未決着0|判定期間:直近1年(2025-07-29〜2026-08-10)|接触日=08/21、11/25、12/18、01/21、02/06
この帯に近づいたら確認する3点——①次の決算・KPIの進捗 ②信用残の変化 ③市場全体の地合い
5営業日で+14.9%の上げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で+13.7%の上げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で-14.7%の下げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で-10.9%の下げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
5営業日で-10.9%の下げの起点。直近1年より前のため参考表示(チャートには塗っていません)。相場環境が今と異なる時期の記録です。
⚠ 過去に折り返した帯・値動きの起点の帯は約束ではありません。支持帯を終値で2日連続下回った場合は、その帯の下げ止まり記録が崩れたものとして、次の開示と市場全体の地合いを確認します。帯のルール=面の帯:10日以上離れた接触3回以上・幅は接触価格±0.25ATR/枠の帯:直前5日の終値最安(最高)の日から5営業日以内に3.0ATR以上動いた日の値幅(値動きの大きい順に各方向3本まで・今回ほかに13本の起点を省略)。この帯は毎週、同じルールで機械的に引き直します。
下値の目安・窓・移動平均線をチャートに示しました。
↓印=窓開け(前日から飛んで下げた日)。縦軸=株価(円・分割調整後)・横軸=日付。線の意味は下の説明と色で対応。
信用残の1年
信用買い残(あとで売る予約)/信用売り残(あとで買い戻す予約)の推移
左目盛:万株(線・2025年末の1:4分割前は4倍換算で連続表示)。下の棒:1日の売買代金(億円)。信用残は週1回の公表。
まとめ ── 7/17の5,191円でいったん下げ止まったが、±7%級の乱高下が続き方向は未確定。上値には1株NAV(7,029円)という「物差しの壁」が控える。8/6(木)の1Q決算とOpenAI続報が次の方向を決める公算。全体の結論は最終章「総合判断」へ。
ここまでの整理 ── ファンダメンタルズ:利益5兆円はPERで読まずNAV(7,029円)とLTV(17%)で読む。財務規律は健全/需給:日本のAI感情がこの1銘柄に集約・信用買いの在庫が下げを増幅/テクニカル:▼43%調整・NAVが上値の壁。そのうえで、上と下、両方の「確認のサイン」を置いておきます。
このページの「なぜ」は、以下の適時開示・会社公表資料と市場データをもとに、アルミナが整理・解釈したものです。
決算数値は適時開示の実数。NAV・LTVは会社が決算説明資料で公表する定義・数値に基づく記述です(時点は2026年3月末)。